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先に見た総合学術文化調査報告書に内原集落の記述があるので参照してみよう。内原集落の明治以後の人口・戸数が掲載されているので、今回のアンケート調査のデータとあわせてその推移を現わしたのが次の表である(昭和34年までは人口と戸数、昭和62年以降は人口と世帯数)。

 

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報告書でも「古くから祖先が行ってきた生活を黙々と続けている集落のようだ」と記述されるほど、ほとんど変化がなかった人口・戸数が、高度経済成長期以後、大きく減少した様子が読み取れる。

 

次に各集落の状況を見てみよう。

小井集落には、昭和40年代始めまで小学校があったという。その後児童数の減少に伴い廃校となり、跡地は縫製工場となっている。医療機関は小原集落や平谷集落まで通院するという。大きな病気のときや入院の場合は、新宮や五條の病院を利用する。農林業で生計を立てている人は集落内にはいないが、自家用野菜などは栽培している人が多い。

国道が改修され、トンネルと橋梁でショートカットしていくため、集落間の所要時間は短くなっている。しかし、路線バスも改修された国道を通るため、かつては集落内にあったバス停が移設され、家からバス停までの便はかえって不便になっているという。

 

 

 

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