日本財団 図書館


鉱山で働く者が多かったが、閉山とともに人口が減少し、農家だけが残った。集落の経済は農林畜産業で支えられてきたが、畜産農家は2〜3戸だけになっている。阿仁町の中では1戸当たりの耕地面積が比較的大きく、農業への依存度が大きいが、稲作の単作で兼業農家がほとんど。この地区はバスや鉄道などの公共交通機関がない。簡易水道も未整備で町内では最も社会資本の整備が遅れている。地域の悲願だった町道吉田・小様線の改良工事が県代行事業で進み(平成9年11月竣工)、交通の便がよくなる。

・人口動態〜平成8年度末現在の人口は133人(42世帯)。過去3年の対前年度増減は、平成6年-5人減、平成7年-4人減、平成8年-5人増となっている。

・集落の中心から主要施設までの距離〜役場まで8km、保育所まで8km、小学校まで7km、中学校まで8km、医療機関まで7.5km、金融機関まで7km。救急車の到着時間15分。上水道、簡易水道施設はなく、湧水に頼っている。

 

<中村集落>

中村集落は県立自然公園・森吉山の南側に位置し、打当川沿いの標高200m内外の狭い土地に住居、農地が散在する。集落内には秋田内陸鉄道、県道が並行している。豪雪地で、積雪期間は4か月以上、平均積雪量は2mを超え、雪害、融雪災害が多い厳しい気象条件にある。

経済は農林畜産業で支えられてきたが、生産性の低い米作と木材産業の長期的な低迷、肉牛価格の下落などの影響、若者の県外就労などに伴い、農地、農家の減少が顕著である。従事者が多かった営林署職員も数人程度にまで減少し、過疎化が進行している。

中村集落は「北緯40度シーズナルリゾートあきた」の重点整備地区に「マタギの里ゾーン」として指定され、中心集落に位置づけられている。秋田内陸鉄道の阿仁マタギ駅は「熊牧場」「打当温泉」「遊遊ガーデン」などの施設、「安の滝」「森吉山」の自然探勝など観光の玄関口となっている。秋田県内水面試験池が打当内地区に設置され、雇用の機会が増えた。また、同地区内の婦人部による干し餅はJAを通じて販売されるなど、産業の期待が高まっている。

・人口動態〜平成8年度末の人口は100人(29世帯)。過去3年の対前年度増減は、平成6年-7人減、平成7年-2人減、平成8年-5人減。

・集落の中心から主要施設までの距離〜役場まで18km、保育所まで6km、小学校まで6.5km、中学校まで20km、医療機関まで20km、金融機関まで6km。救急車の到着時間は30分

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION