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第2 集落の概況

1 集落の分布

阿仁町を南北に流れる阿仁川と打当川に沿って全部で27の集落が点在している(平成9年4月)。昭和35年の32集落に比べ5集落の減である。各集落の役場までの距離は、最も遠い集落で20?q。10?q以上が9集落と、行政面積が広いため役場までの距離が遠い集落がかなりある。

 

2 人口動態

各集落の人口は、多いところ(300〜400人)が7集落、少ないところ(100人以下)が9集落。10人という集落もある。ほとんどの集落で人口減少が続いている。高齢者比率(65歳以上)は全町平均が31.3%で、30%以上のところが15集落ある。15〜64歳の比率は全町で56.4%、うち15〜29歳は10.3%。

 

3 今後の動向予想

今回の現地調査と平行して(財)過疎地域問題調査会が全国的に行ったアンケート調査によると、阿仁町の集落の今後の動向予想は次の通りである。(今後5〜10年程度後を想定したもの)

今後人口が減少すると想定される集落は19集落。今後人口が横ばいに推移すると想定される集落は7集落。今後人口が増加すると想定される集落は1集落。想定の主な要因は、マイナス要因としては「若年者流出による社会減見込み」「高齢化の進展による自然減見込み」が圧倒的に多い。人口増加が予想される集落が1集落あったが、その要因としては「定住促進団地等による住宅整備」と「高齢者福祉など福祉環境の整備」が挙げられている。その他、プラス要因としては「U.J.Iターンの増加」「道路整備」なども少数ながら挙げるところがあった。

 

第3 二つの集落例

阿仁町の27集落の中から二つの集落を選んで集落の状況を調査した。

 

<小様集落>

小様地区は阿仁町の北東部に位置し、阿仁川の支流である小様川沿い約5kmにわたって40戸が点在する。集落内には小様川沿いに町道が並行している。町内では比較的積雪量が少ない地域であるが、上流ほど気象条件は厳しくなる。かつて上流部に鉱山があり、

 

 

 

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