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が、今回の調査研究の企画の動機であった。

ところで集落の問題は、先に述べたように、およそ30年前の昭和45年の過疎対策緊急措置法の際にも過疎地域対策の重要課題とされていた。そして、当時の認識としては、集落の再編成という意図が強かったように思われる。

過疎地域問題調査会も、今回の調査の前に、昭和49年度には、「過疎市町村における住民の生活単位としての集落再編成の方策」について、国土庁の委託にかかる調査を行っており、また、過疎地域振興特別措置法(昭55)となった後の昭和56年度には、過疎問題が最末端部に集中していることに着目し、国土庁からの委託で、「過疎地域における小規模集落のあり方に関する調査研究」を行っている。(これらの調査の概略については、第4章委員座談会参照)。

また、最近の別な機関による調査としては、島根県過疎地域対策協議会(県・市町村の組織)で、平成5年度に「集落実態調査」として、集落代表者へのアンケート調査、面接調査を行っており、更に、第4次全国総合開発計画に続く新しい全国総合開発計画策定のための作業の一環として、国土庁計画・調整局で、平成8年度に「地域の集落の動向と国土への影響に関する調査」を行っている。(これらについても、第4章委員座談会で、概略が紹介されている)。

 

4. 今回の調査研究の手法

そこでこのように他の調査があることについて、十分に留意しつつ、今回の調査研究においては、

?@ 全国1,231の過疎市町村を対象として、

(ア)昭和35年から10年ごとの集落数の動向等

(イ)昭和62年と平成9年との間の集落ごとの人口、世帯数の変化と今後の動向等についてのアンケート調査

?A 10町村を対象とした調査研究委員による現地調査(町村長、住民との面接を含む。)

を行ったうえ、委員・特別委員間で意見交換をすることとし、これらを通して、集落についての施策の方向性を探ることとした。なお、その際、前述のように、地域文化、自然環境の側面については、現地調査において特に留意し、報告にとりいれた。

調査結果は、第2章以下の各章、巻末参考資料のとおりであるが、施策の方向性については、第4章の「委員座談会」、第5革の「まとめ」でとりあえずの考え方を示すこととした。

 

 

 

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