いということで、推測ですが、そのままずうっと上がって、ある高さ以上、もちろん上がりませんのでぶつかります。当然、ここから腕がぼろっとはなれて、人だけが落ちてきたのではないかという推測があるんですが、そうではないということらしいです。まあホールなんかでも、我々業者がロープを使った方法がありますが、そのロープもいつ持ち上げられるか分からないということで、ロープが、ぐじゃぐじゃしている中で持っているとか、このごろアルバイトの人に持たせることが非常に多くなり、危険だなということでロープを体に巻いたり、手に巻いていることがありましたら注意をしていただきたいと思います。
それともう1つ、このP8にあるのが網元の法則です。これは愛知県の会館で、名前は出してくれるなということがありましたので出しませんが、網元の操作をやってました大道具さんが、やはりシズが重いアンバランスで操作をしている時に、そのまま持ってましてシズのほうが重かったんで自分も引き上げられたんです。引き上げられますと、その上にダクトがあり、ギャラリーの下にダクトがあるんですが、そのダクトに頭をぶつけてドサッと落ちてきて、そのあとにシズがドーンと落ちてきた。それで幸いシズにまき込まれることはなかったということで、やはり骨折と手の火傷などをしたわけですが、ここでも実はやってる人は手をはなさなかった。この人は重傷でしたが、やはり責任感情で手がはなれないらしいですね。自分が持ってれば何とかなるだろうということで手をはなさなかった。「あぶないぞ逃げろ」って言って自分は持ち上げられた時点で、降りれば問題はないのかもしれませんが、その代わりバトンとか網元のシズ枠やレールなんかは壊れます。人的な被害からしますと、逃げなかったというのは、コマで起こったのもそうですが、責任感情というのがあるのかなと思うわけです。それで、特にこの網元事故というのが多いものですから、照明家協会でも第1弾のビデオを作りまして、これから新しく照明をはじめる人たちに、あるいは企業の新人教育にという初段階の部分でのビデオを作り、それを修正をするような形で動いております。来年の4月頃には一応完成予定です。
それからP7ですが、これはその舞台などでもよく使われるイントレですね。このイントレに照明器具を片方に付けて、本番のときには、そういう形で使っていた。そして、その前の状況では、シュートをするためにこれを動かし、その上に人が乗ってスポットを合わせる道具に使っていた。それが終わると、スポットをつけてこれが両サイドに来るので、横からのライトに使うタワーなんですがこれを通常のイントレでやってた。それがたまたまリハーサルのときだったものですから、リハーサルを終えて、撤去のときに1人下手側のイントレに2段目まで乗って器具を外そうとしたら、ドンと倒れた。もともと重心が違ってたんですね。そこへ1人乗っかったためにドンと倒れたということで、倒れないようなアウトリガーを付けていなかった。そして、これがテレスコープですけども、照明のシュートをするときに使うタワーなんですが、これはたまたま安全管理というのがあちこちで盛んになりまして、こういうテレスコープの実験をやってるんですね。たとえばイントレですがコロが付いていますが、このコロが付いているのを動かす、これを動かす場合には、人が乗って動かしては「ダメ」というのが第1の規制なんですね。たとえば、4段組んだ上に上がってガラガラ動かしていますが、結果4段というのは、動かせる範囲は2段までというのが決まっているわけです。そして2段というのは何かといいますと、6度傾いたときに、そのまま倒れないというのが条件なんですね。3段だと倒れてしまう、4段だったら一遍に倒れてしまうので、動かしてもいいのは2段、でも乗ってはいけないということになりますと、4段組んで作業してて、動かしたい時には2段上をはなして2段で動かすというような誰もやらないようなことがあるわけです。そういうことが分かって、テレスコープにもそういう規則があって、このアウトリガーを出して、下に固定している時でないと上に上がれない、上がってはいけませんという仕様書があるわけですね。イントレもそうです。イントレの場合、ホールで例えば日比谷野外音楽堂というのがありまして、そこは何も設備がありませんから、よくこういう足場のイントレを組んで照明をつけるんですが、まあ、あそこは3段以上は「ダメ」という規則があるんですね。4段以上組む場合には、法律で足場組立作業主任者の資格を持ってる人でないと組めないことになっているいるんですね。その日比谷野外音楽堂の制約というのも3段で止めてるという理由がそこにあるわけです。本来は、上