く使用している。この中には、石油類なんだがヒーターは入ってない。ただ、圧縮をして出してるだけのことで、これがわりと安全性が高いので、多く使用されるようになってきた。その他、たくさん種類があるが、P13に非危険物と書いてあるのと第3石油類と書いてあります。この非危険物と書いてあるのが一応、消防署には解除申請を出さなくても良いものです。
次に、P10からP12がパーライトで袖幕あるいは文字幕なんかが焼ける事故が起こっております。これは、昭和47年にピンクフロイドが、東京の世田谷でコンサートをし、それまでは、音響、照明すべてを持参したことは無かったので、その時に初めてプランナーが来てすべてを持参し、このパーライトを持ってきた。そして、私もパーライトを作りましたが、球が割れてしまうんです。原因は、後ろをくるくる回せる部分をきつく作ると電球は膨脹しますので、電球が割れてしまうんです。そこに気がついて、何とかパーライトができたわけです。そうしているうちに、これが燃えることがありました。最初のうちは体育館などの幕類がない場所で使っていたが、だんだんホールへ持ち込まれるようになって火災が起きた。(これは後で実験)
それからもう一つ危険なものがある。それは電球が割れたり爆発することで、普通のスポットライトですとレンズとかカバーが掛かっていたりして、その中で爆発しても破片が落ちるということはないが、この見本の直接電球の場合は、電球が爆発すると、ここから飛んででます。特に客席の中で使う場合に、以前に電球が割れ客席に落下したことがあるので気をつけてください。
(P10参照)実は、広島で袖幕が燃えた事故がありました。では、ここで袖幕を閉めてもらいましょうか。(袖幕を閉める)今、しまってきたこの幕なんですね。これは中割幕と言い、この中割幕が実際にはこう閉まっている状態で、これのうしろでよくスポットライトを置く場合があります。当日、これがこの中幕のうしろにおいてありまして、実際にやってる人たちも承知の上で、幕のすぐうしろですとかぶさる率が多いです。そのために、この幕から1.5mも離した奥に、このスポットライトがあり、本番中にいったん閉めてすぐ開けると、そのスポットライトが点く、照明が点くといった演出上のことだったらしいですけど、すべて幕を開けるとき閉めるときは、後ろに人が付いていて、これを介錯といいますが、必ず開けるときにはいっしょに付いていて、これを開けますと、風の影響でかなり大きな塊が出きます。これが非常に危険だとのことで、1.5m離しとけば大丈夫だろうと思ったそうです。実際には、この介錯が、当日は付いていなかったということが、分かったんです。介錯する要員がいなかった。これを介錯するためには2人要りますので、開け締めのときには必ず介錯する人間が必要だということと、ともかくステージマンというものを必ず付けようということがひとつと、そのステージマンは袖幕、文字幕を全部目で見ろと。それからもうひとつは、臭いだと、ともかく臭いがあったときにはどこだろうというのを見なさい。それと、もうひとつ私は素手という問題があるわけです。照明のコードコネクター、これは全部素手で触れと。今はだいたいの人が手袋をはいていますが、手袋でさわってもこれは分かりません。だから素手なら一瞬で分かるということで、僕は素手を強調しているわけです。まあ目で見る、臭いをかぐ、それから素手で熱を見るということを教えているんですが、そういう介錯をすると、要員が足らないというのが、どうも現実らしいのです.そこでひとつ、このパーライトを点けまして、このスポットの前に手をかざしますと、5秒ぐらいで、ああ、もうだめだというくらいの熱さです。幕類には防災加工がしてあるんですが、やはりいちばん燃えやすいといいますと、白い布から黒い布となったときに、黒がいちばん燃えやすいですね。これも防災がしてある幕なんですけども、それで、このボルテージが1ボルトでも下がっていると、もう熱がだいぶ下がりますから燃えませんが、ちょうど100ボルトぴったりの数字ですと、やっぱり燃えますね。同じべっちん幕でも紺色の幕、これも防災加工がしてありますが、(実験)今やっと煙が出ましたが、まあ1分も経過しないうちに煙が出てきます。これ以上やってると焦げます。やはり黒いべっちんがいちばん弱いですね。これも防災加工がしてある黒い普通の布で、よくケコミとかに使うものです。これはちょっと煙が出るまでは時間がかかりますね。ちょっとこっちのほうが強いですね。次に、これは白い布ですが、紗幕のような穴があいてますので、熱が溜まらないからそんなにすぐ燃えるような状況ではないかと思います。ただ、これでもしわがよって光や熱が抜けにくいもので、やはりジョーゼットのようなも