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ホールでの安全作業「会館技術者に対する安全対策」

日本照明家協会常務理事 丸岡寿昭

 

【講義の概要】

今日は、ホールでの安全作業ということで、私どもはどうしても業者の立場、それから今日お見えの方は、大部分がホールの管理の方で非常にやりにくい面はありますが、ただ、安全ということに対してはそれぞれが譲り合うとか、そんな事やっていたのでは安全にはつながらないとか、ひよっとしたら「ああいう言葉は困るよ」と言うようなことが出ることもあるんではないかと思いながら気を付けていきますけれど、立場が違うということで緊張をしております。

(P17参照)これは照明ではT型というこのタイプが、実は法律では使えなくなりました。これは100V回路で使われなくなって、200Vの専用ということになったわけです。それの代わりにミニC型というのを開発し、これを使うことになったわけです。そこで、今現状としましては、各ホールのほうでは段々T型をC型に切り換えていく工事をなさっております。実は、この上にスポットがいっぱい並んでおりますけれども、ここにもすべて、ここのホールではT型がついております。それからあのスポットが全部T型ですので、それが使えなくなったということなんですね。そして、今の対応としましても、そのT型を全部廃止してミニC型に変えますと、金額にして材料だけで4千万円かかるんです。それは困るので何とかならんかということを申し入れまして、いちばん最後の方にミニC型の絵が出ておりますが、こういうタイプの物ならばよいとのことでこれが許可されているわけです。けれど、P22のこのT型は使えないわけですが、そうすると交換を使わなくてはいけないことになります。ホール側でどんどんこのT型を取り替えてC型にしますと、外部から持ち込んだ機材はT型のままが多いため、その短い変換を使ってくださいとの指針が出たわけです。

トラッキング現象とグロー現象(P15参照)で、これは電気工事業界側からの情報ですが、いわいるトラッキング現象とはあまりコンセントで抜き差しをしない回路、つまりこのシーリングだとかフロントはコンセントの中に入りっぱなし、そうすると、ほこりとか湿気類がくっついて、それだけのものなら別になんともないんだが、変な現象を起こして、それが焼けてくることが普通の家庭のコンセントでも起こってるとの情報です。たとえば、今使っているのは全部100Vですけれども、ピンスポットのその前に整流器というのがあるが、その整流器とは、ある一瞬何万ボルトに上げてランプを点灯させるわけですが、そのような絶縁物の所にゴミが留まって、湿気でそういう現象が起きるとの通達があった。グロー現象とは、今度は逆に抜き差しをすることで接触が悪くなる。特にホールでいうとステージのコンセント、それからサスペンションの回路、こういうところで抜き差しをすることで緩くなってくる。それがエボナイトとかの絶縁物が腐って、「このコンセント焼けてるな」と実際に見たことがあり、また、そんな通達があったので参考にしていただきたい。

今流行のスモークマシーン(P14参照)というのがあり、P13にいろんな種類の物が書いてある。その中で主に使っているのが3種類ある。ロスコとコンセプトでMK-VとDF-50、この3つが非常に多く使われております。これも禁止行為解除の申請が消防署には必要なんですが、その中で、このロスコの製品は今のところ申請の必要がない。何故かというと、いわゆる石油類を使用してないので申請の必要はない。しかし、これらのものが事故を起こす場合があり、その事故を起こすのは、ヒーターで温めるわけですが、石油の引火点の下まで温められると自動的にサーモスタットが切れて、温度をそれ以上上げないような装置があるわけです。そのサーモスタットがよく壊れ、それが壊れるとぐんぐん熱が上がって行き、そうすると、その石油類を使っているものに関しては引火する率が多く、サーモスタットの故障が原因ということがあります.ただし、ロスコの場合は、水性ですから故障すると、他のところへ浸食し、液は燃えなくても他の物が燃えるというケースが現実に起こっております。それで右に書いてあるDF-50(デイフュージヨンフォガー)ですが、実際には、この製品が今煙を出して照明のビームとかを見るのには、一番良いとのことでかなり多

 

 

 

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