ただ単にマイクロホンをセットするのではなく、楽器の構造、発音形態を理解して収音することが基本と申せましょう。
(7) 音響プランニングツール
音響系統図、ステージング図、回線表がまとめられないと、音響プランは不可能です。それは、演出に対する音響の役目、予算、舞台構成、を把握したうえでの音響設計が求められるからです。非常に厳しい作業です。
以上、音響にかかわる登龍門として、基本の基本を述べるにとどまりましたが、最後の程めくくりとして、以下の点を強調して本講座を終わらせて頂きます。
■各ジヤンルの教養を高めること………音楽であれば、読譜力は最低必要
■舞台は総合芸術………しきたり、モラル、協調、相互理解により確立される
■音響テクニックの評価は………自分ではなく観客である
舞台用語集
『知っておくと便利な舞台一般用語』
■上手 客席から舞台に向かって右手側を指す
■下手 客席から舞台に向かって左手側を指す
■舞台鼻 舞台と客席との境界線になっているところを指す
■エプロン 緞帳の降りる位置から舞台前端までの舞台面を指す(提出し舞台)
■オーケストラピット オペラ、バレエ、ミュージカル等で使用されるもので、舞台上での演奏が無理な時にオーケストラーが入って演奏する所で、舞台前から客席側に位置し、昇降方式等で使用時は客の視界を妨げないようになっている
■花道 日本舞踊、歌舞伎等で使用されるもので、俳優と観客との接近する場として使用される
■定式線 両大臣柱を結ぶ線
■アクティング・エリア 舞台面積のうち大道具等に囲まれ、出演者が演技をして観客に見えるスペースを指す
■シーナリー・スペース アクティングエリアを囲んでホリゾント迄の間に大道具を飾ったり、照明器具を設置するスペースを指す
■ふところ 客席から見えない舞台の上手、下手の空間を指す
■すのこ 舞台の天井を指す。ぶどう棚ともいう
■バトン 舞台の大道具、照明器具用の吊ものパイプを指す
■綱元 舞台の上手、下手のふところの壁面に吊物昇降用の引綱の設備がある所を指す
■馬立 舞台の上手、下手に張り物や切り出し等を格納する所を指す
■回り舞台 舞台中央にあって舞台転換の時間を短縮するために使用される舞台設備
■迫り 舞台床下から俳優、大道具を乗せて迫り上げ、又は迫り下げる装置
■奈落 舞台床下の総称で回り舞台、追う等の機構が設置してある所を指す
■緞帳 舞台と客席との区別をするためにプロセニアム上部から下げる幕の事
■割緞 わりどんちょうのことで、中央から2枚に割れて左右に引き開けるものをいう。又、中央から左右斜めに上にひき開けられるものがある、別名オペラカーテンともいう
■引幕 緞帳と同じ目的で使用するもので、舞台間口上部にワイヤーロープを引渡し、それに環を通し幕を下げたもので下手より上手に開き、閉じ