と言われます。だから照明屋というのは非常に打ち合わせをやっていきます。後からそう言ったことがインスピレーションで出てくるような力が、今までの体験の中で養われていて持っているという人がそう言うことができるのです。だから照明というの先程も言いましたとおりはだれにでもできてだれにでもできないのです。いまだに一生懸命追求しています。そんなことを考えながらいろんな設備のこともみんな考えているわけです。照明ってただそれだけのことです。これをいかに、先ほどの想像力を使って自分なりに考えて行くかということです。
(3) 劇空間における照明とは(機構と設備)
そこでいろんなプランニングとか何とかあるわけなんですけれども、そう言ったふうな空間を創るところが次にあります劇空間における照明ということになるわけなんです。括孤で機構と設備と言うふうなことを書いてありますけれど簡単にお話ししますと、皆さんもご存じだと思いますので、そんなに難しい問題ではございません。
最近の機構というのを皆さんご存じだと思いますけれど、私は、27〜28年前に照明の世界に入ってますけれどその当時は500Wだけでした。弁当箱という真四角のです。lKがたまにある程度でほとんどがそういう形でした。それに比べて今舞台から客席を見ますと照明だらけです。機械だらけです。なぜそこまで変わってきたのかということです。
設備とか機構というのは、今まで考えてきた思考がそのまんま表現しやすいとか言ったことで増えてくるわけなんです。それと同時に我々が生きている社会の、また、家庭においても一緒なんですが、照明で言えば明るさ、平米当たりの明るさがだんだんだんだん上がってきています。なぜ上がるかということはいろいろ別の問題ですけれども、とにかく上がっています。
百貨店やスーパーでもそうです。スーパーなどは入り口の床の明るさなどに決まりがあって、その明るさでお客さんの出入りが違うようです。そう言うことで照明というのはだんだんだんだん上がっています。
最近、欧米おいてはあまり量が上がってくるものですから、押さえる傾向にあるようです。それが如実に現れてますのが、皆さんご存じのとおりパーライト、それからソースフォーと言う機械です。カッターピンスポットと言うふうにみていただいたら良いです。
パーライトはシールドビームを使っていて自動車のヘッドライトみたいなものです。パーライトにはlKと500Wと言う球しか今はないです。ほとんどが500を使うということです。そのうえにソースフォーというのは100の575というハロゲンランプを使うということでlKを使わない、500Wを2個程度600〜700W位いです。
今、欧米ではほとんどソースフォーなんです。それを使いますと電力容量が3分の1ダウンできるというんです。最近は不景気の中、皆さんの小屋でもそうだと思いますが、節約するところは節約しようということで電気を食う劇場なんかの電力容量を減らそうということでだんだんそういう機材になって行く。
量は減らしても照度、明るさはそんなに変わらないんです。ただ、人間というのは不思議なもので、光源には色温度と言う温度があります。色の温度と言いますけれど。その温度が高ければ高いほど白っぽく見えるんです。だから白熱球より蛍光灯の方が白っぽく見えます。人間は白っぽく見えると心理的に明るい感じがするのです。だから通常の劇場で使う電球というのは2900度ケルビンというモノクロタイプを使うのですけれど、最近はちょっと上がりまして3000度くらいのを使ってるんです。テレビ局は3200位のを使っています。カラー用というのは3200度ケルビンなんです。色温度上がって白っぽく見えると電気容量は下がっていても明るく見えるんです。そう言ったことで最近の欧米の劇場なんかは、ソースフォーがどんどん入っています。いずれにほんの劇場何かもそういう形になるんじゃないかと感じています。
また、設備の回路がどうの本数がどうのと言ったふうなことは、日本の多目劇場、多目的という言葉がありますが、多目的劇場というのは何もできない劇場、何をやっても足らない劇場、小屋、空間と言うふうに理解されているわけですが、実は僕はそうは思わないのです。欧米の方には多目的劇場というのはほとんどありませんから専門劇場ばっかりですから、日本の多目的劇場