で、さきほど、2次元といいましたが、3次元的に、こういった格好で、コンピューターの中でモデルを作って、それが、どういう格好で分布するか、例えば、こういう所に空白が出来るとか、ここは濃いけど、ここは薄い、一階席とか、二階席だとか。こういった分布を目で見る事が出来るようになったんです。
で、例えば、先程の著名なホールとして、ウィーンのムジークフェラインザールを分析してみたら、これは、ここに、0から30、30から60、60から90と、書いてありますが、これは、先程の言う、初期反射音の訳です、これは、勿論、いろんなパターンで分析してみると、一体、良いといわれているホールは、どういう所に沢山の、或いは、均一の分布が得られるか、というのが、段々分かってくるんですね。
で、これから、設計するホールだけを分析していくだけでは、全然分からないんで、過去に、今まで、これだけ良いホールが、また、そうでないホールも、いろいろございます。そういったものを、最近のコンピューター・シュミレーションで、分析してみると、実は、ここら辺りに、こういうふうな良いものが、良いものというか、沢山の反射音がきている、だから、ここら辺りは良いとか、バルコニー下は、一般に、良くないと、いわれているけれど、こういった所は、どこら辺りの反射音がきていないとか、まあ、こういった事が、良いホールを、或いは、そうでないホールを、いろいろ分析してみると分かる訳です。
これは、先程言いましたウィーンのムジークフェラインザールの分析結果ですけれど。これもやはり世界の三大ホールといわれていますボストン・シンフォニーホールの分析です。
細かい事は、今、説明していると、あまり、時間がありませんし、まあ、言ってみれば、お医者さんが、レントゲンを見ているようなもので、パッと見たのでは、よく分かりませんけれど、いろんなパターンを見て、慣れてくると、大体、ああ、成程、ここが、良いのかと、そういった事が分かってくるのですね。
で、国内のホールも、勿論、そういった方法で、例えば、多目的ホールの例を見てみますと、先程のいろいろな開口が、ございます。こういった所にくびれがございます。そういった傾向というのが、こういった部分に空白がでてきます。成程、空白部分がでてくるという事は、先程の初期反射音が来ていないという事なんですね、極端な話をしますと。そうすると、バイオリンの音はどうなのか。そうすると、多分、ここらへんのバイオリンの音が、良いんじゃないか、或いは、悪いんじゃないか、という事が、実際のホールと、比較試聴しながら、まあ、可能になってくるんです。
で、先程のものは、白黒で、ご説明しましたが、実際には、カラーのブラウン管で、こういった格好でどこから、どういった反射音がくるかという事が、分かってくるようになった訳です。で、そうしますと、割りと、ごくごく最近、コンサートホールが、増えてきて、それで、コンサートホールが、増えたおかげでと、いったら良いのかもしれませんけれど、どんな響きが良くて、どんな響きが悪くて、それが最近のコンピューターシュミレーションといったハイテクの技術と結びついて、いろんな事が、分かるようになった。それが、分かってこないと、今あるホールの具合の悪い所はどこなのか、それを、どう改修していったらいいのか、どうすれば直るのか、というのが分からないし、逆に、それが、分かってくれば、形をこのように変えればという事が、図面に書くだけでなくて、いろんなシュミレーションで分かるようになる訳です。
すみません、最後、早足で、説明しましたけれど、室内音響効果の良い、悪いというのは、結構、複雑なんですけれど、大体、今まで、ご説明したのは、客席で、どうかという事だったのですけれど、ステージでの上の話というのは、もっと分からない部分というのが、多いんですね。
というのは、客席では、我々聴く事が出来るんです。これは良い音だ、悪い音だ、と分かるんですけれど、ステージの上では、常に、演奏者が、良い悪いを判断せざるを得ない、という事、もう一つ、これは、重要な事として、お話しといたほうがいいと思いますのは、実は、ステージの上の音というのは、とっても慣れの成分が多いという事です。よく、新しいホールが出来ますと、地元でなくてもいいんですが、地元の演奏家が、ポロッと弾いてみて、なかなか良さそうだと、或いは、ちょっと弾きずらいとか。それが、すぐ新聞種になったりする訳ですけれど。実は、東京の例で言