アルコール45度のウィスキーが出来ましたと、とっても良いウイスキー、なんせ45度ですからと、新聞に書いてあるのと同じ意味合いという事ですね。で、じゃあ、その中身がですね、もう一度中身がどう影響してくるかという事なんですけれど。
これ、先程から、このグラフを当り前のようにお見せしています。皆さんも当たり前のように、部屋の中では、バアンと音だしたら、そういえば、ホールの中ではフワアンと短くなるなと思ってらっしゃるかも知れませんけれど、どうして短い音をバアンと出してこういう波形が得られるのに、パンパンパンと聞こえないのでしょうか?
というのは、マイクロフォンも、それから、こういったオシロスコープといった分析する器械でも、ちゃとバーンと音がしたら、パンパンパンと、きれいな波形が得られるですね。ところが、我々の耳には、残念ながらというか、それが、良かった訳ですが、これは、パンパンパンとは、聞こえないで、パアンと、聞こえる。というのは、我々の耳の分解能、時間的分解能が、こういうところまで、分解出来ていない、という事なんです。で、これ一緒くたに聞いているんですね、だから、言ってみれば、直接音が、バーンときた時に、実は、この音は直接音と一緒に聞こえているんですね。で、これが、全部一緒に聞こえているんでなくて、ここら辺りまで一緒に聞こえているんですね、それが、一緒に聞こえている音が、バーンと、段々短くなっいてるものだから、それが、全部連なって、パンパンパンでなくて、バーンと聞こえちゃってるんです、という事になると、実は、この反射音、反射音があるなしで、響きだけでなくて、音が違ってくる。だとすると、少し理解が出来るのは、実は、コンサートホールは響きが良いとか、長いとか、言いますけれど、その後のワーンというのを、楽しんでいるだけでなく、例えば、我々が、バイオリンを演奏するのを聴いたときですね、外でバイオリンを聴けば、ギスギスというのは、お聴きになった事ありますね、例えば、コンサートホールみたいに響かないところで、バイオリンを弾きますと、ギスギスと、あまり気持ちの良い音がしませんけれど、それは、そういったライブな響きのある部屋で弾きますと、途端に、ふくよかになって、音量も大きくなりますし、というのは、よく経験する事ですが。
これは、なにも、響きが長くポオンとついているだけでなくて、バイオリンの音そのものが変わってる。音そのものが、良いだとか、音がリッチだとか、音がふくらんでいるとか、音が大きいとか、そういった、色々な表現をする訳ですけれど、実は、それは、ここら辺りに影響してくるのです、この辺りの音というのは、さっきのちょっと、言いましたように、直接聞こえてきたバイオリンの音と、天井からきた非常に早い音、まあ、天井だけに限らないのですけれど、非常に早い音は、我々の耳には区別出来ていない訳ですね、だから、実は、外のバイオリンの音と中のバイオリンの音と、それからバイオリンの音も、ホールの中と、ここで聴く音と、そちらで聴く音と、あるいは、二階席で聴く音、それぞれが、違ってくるというのは、そういう事なんです。で、バイオリンの音を聴いて、ふくよかに聞こえる、でも、余韻が残って聞こえるのは、実は、ここら辺りが影響しているんです。
だから、なんの事はない、残響時間は、勿論重要な訳です、重要な訳ですけれども、実は、ここら辺りの成分が、どうなっているかという事は、音のクォリテイー、響きの質といったら、いいのでしようか。これで、やっと、最初のところに、戻るんですけれど、すごく影響している訳です。
我々は、いわゆる、この直接音に付随してですね、直接音のクオリテイーを決めている反射音の事を、ここに書いてあります、初期反射音と呼んでいます。この初期反射音というのは、これは、勿論経験的にというか、いろんな実験から、分かっているんですが、まあ、大体、数十ミリ秒、せいぜい、百ミリ秒だと、言われています。で、仮に、百ミリ秒としたら、0.1秒、0.1秒といったら、本当に、アッという間です。で、0.1秒迄のその細かな成分を我々は個別には、聞き分けられないで、それを、全部バイオリンの音として、聞いている訳です。で、実は、初期反射音は、非常に重要だなと、クロウズ・アップされる訳です。で、初期反射音というのは、先程、言いましたように、聴感的には、直接音と初期反射音が、合わさって、一つの音といいますか、響きと言いましょうか、それを形成している訳です。で、初期反射音は、いろいろバラエティーがあります。ここに、書いて