おはようございます。ご紹介にあずかりました大野でございます。本日のタイトル「自主事業の入口から出口まで」一制作側と管理側の違い一これは、皆さんご承知でしょうけども新国立劇場が来月いよいよ柿落しの公演が始まるという時でこざいます。ことに最近、地方の公立の文化施設、新しい大規模な設備を整えたホールが続々と建ち上がっています。こうした中でこれを折角出来た劇場をどうして運営していったらよいのか?ということで、そのソフト面に関してアートマネージメントという言葉が、皆さんもよく耳にしていると思いますが、ここ4、5年の事でございますね。
建物が建ってしまってから、これをどう運営していったらいいのかという事で、それと同時にですね、地域振興、地域の活性化、文化を通しての活性化、こういう事の為に、こういうホールをいかにして価値あるものにしていくか?というところで、それを運用していく技術としてアートマネージメントという言葉が叫ばれる様になったと思います。これは、本来でしたらね、諸外国の例をとりますと、まず最初にソフト面、つまりそこでどういうものを演じたらよいのか、その地域やその地域にあった文化とは何なのか、そういう事をきっちり綿密に計算して、それをやるためのホールというのはどういう規模ならいいのか?という事で、それに相応しい小屋が本来建てられるはずのものなのですが、日本の場合は往々にして、建物を建ててしまえばいいや、というところで目的が絞られないままに建物を建ててしまう、その結果、後になってそれを運用を任された方が苦労される訳ですね。これはものの考え方がやっぱり欧米諸外国と日本と基本的に違うなと思っているのですけどもそうは言っていられません。現実にどんどん建ってしまっているんですから、皆さん方は、それに現場に、そこに日々、お仕事をされている訳ですから、如何にこれからこれをどうしたらいいのか、という事で色々と悩んでいる事と思います。まず、地域の振興といいましてもいろんの形があると思います。そのおかれている状況はそれぞれに違うと思います。その中でどうしたらいいのか?とかく今までは、東京中心で東京から物事を発信する、東京から劇団なり文化団体を呼んで、公演がすむとまた帰ってしまう。
地方に何が残ったのか、公演という結果は残りますけれど、ただそれだけではいけない。
私は、たまたま去年から公立のお仕事に参加するようになりました。それまでは、一民間人として劇場の運営にあたっていたのですが、去年たまたま神奈川の県民ホールと先程お話にでました新田町の、群馬県でございますが、新田義貞の出たところでございますが、ここにエアリスホールという1000人ちょっとの町立としては、かなり大きな規模ですが、劇場が出来ました。劇場と併せて体育館と、つまり文化スポーツ総合施設でございますね。これが出来まして、これが昨年7月にオープンしまして、これは、私にとって、非常に有り難い勉強の材料でございました。つまり大型の公立文化施設と小型の公立文化施設と併せて2館の管理運営の責任者として、片一方は、アドバイザーでございますけれど、こういう仕事に参加してみまして、それぞれに、同じ公立の施設といえども、その向きむきは違うんだ、それなりのソフトを生み出して、行かなくてはいけないのだと、気付かされました。
今日は、そういう事も交えて、色々とお話していきたいと思います。
一番大事な事は、先程も言いましたように東京中心の一過性の文化制作といいますか、そういうものから脱却して地域に根ざした運営を編みだしていかねばいけない。そのためには、どうしたらいいのか?出来るだけ地域の人達によってそれを運営していく、願わくばその中味に関しても、地域中心のプログラムが組まれるべきである。それには、色々な方法があります。
私も各地で行なわれている仕事ぶりといいますか、事業の内容、色々と拝見しました。色々ばらつきが、ございます。極端に良いとこと、極端にまあ、おかしいなと思う所と、こういった所をどう解決していったらよいのか?まあ、それが今日の私の話の眼目でありますけれども。まずアートマネージメントという言葉そのものが最近、この4、5年と先程申しましたが、これは、日本語の曖昧さと言いますか、非常に漠然とした使い方がされている。何を目指しているのか?私はこれは、まず、日本の現在、公演形態の在り方を冷静に分析して、色々諸外国から、大型の出し物が入って来ます、欧米諸国並みの大規模な劇場も出来ます、こういったものの中身をどうするかといった時に、先程も言いましたが、地域の特性があるのですよ、日本は日本なりのやり方をこれから、考