「自主事業の入口から出口まで」-制作側と管理側の違い-
神奈川県民ホール館長 大野晃
【講義の概要】
1 自主事業の意義
・地域振興に寄与するもの(文化活動の核の育成)
・パフォーミング・アーツ(舞台芸術)の創造プロセス
・地域に於ける人材育成(プロパーの養成及び長期インターン制度の必要性)
2 アート・マネージメントの定義
・エージェンシーとプロデューサーの相違
・創造性と経済性(自由な発想と経済観念)
3 ホール運営の基礎的概念
・運営組織の二重構造の是正
・組織及び運営の効率化(ランニングコストの意識)競争原理の導入
・維持管理と改修効果
4 劇場・ホールに於ける運営形態と公演サイクルの違い
・運営形態の相違点 自主制作方式、共催方式、貸し劇場方式
・公演サイクルの相違点 レパートリー方式、ラン方式、単独方式
5 舞台は芸術創造の拠点
・演出効果と舞台の制約
・自主制作と貸し劇場
・「原則可能」と「原則不可能」の発想の違い
6 安全対策
・安全に対する意識
・安全概念の視点
【講師プロフイール】
大野 晃(おおの あきら)
1981年、神戸市生まれ。1958年、慶応義塾大学法学部卒。
1975年〜1976年、文化庁芸術家在外研修員として欧州の劇場にて研修。ベルリンドイツオペラ、英国ロイヤルシェイクスピア劇団、英国ナショナルシアター、ウィーン・ブルク劇場、スウェーデン王立劇場等訪日公演の日本側総監督を務める。日生劇場技術部長、パナソニック・グローブ座劇場担当支配人を歴任。現在、神奈川県民ホール館長、群馬県新田町エアリスホールチーフアドバイザー。舞台監督協会理事長、日本音響家協会顧問等舞台芸術関係の要職多数。専門は、演出、制作、劇場管理。
(主な演出作品)
1975年 黛節子舞踏団公演「日本の民踊」「桜樹散華」(日生劇場)
1983年 長門美保歌劇団公演 オペラ「ラ・ボエーム」(東京上野文化会館)
1984年 黛節子舞踏団公演「延年」(草月ホール)
1984年 長門美保歌劇団公演 オペラ「愛の妙薬」(新宿文化センター)他多数