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財団では直接職員を雇用することはできないのだろうけれども、そのかわりに地元で企業を立ち上げてもらうという別の形で、財団直営ではないのだけれども、それに近い形で、町で自分たちの手でそういうものをつくっていこうという非常にすぐれた例で、成功した例だろうと思うのです。

それで、こういう研修会がありますと、そこの小室さんという社長さんとか、各パートで、舞台と照明と音響で1人ずつ、去年もいらしていましたし、今年も出ていますが、現実問題でいくと、こういう研修会に民間企業が出るのは大変なのです。普通、休みをくれません。面倒を見てくれません。

ただ、中標津の方では、多分そういうものも含めた委託ということで考えていらっしゃるので、こういう機会にどんどん勉強しろということで、会館の運営状況を見きわめながら、こういうふうにやっていただいているのだろうと思います。委託する場合に、いろいろな委託の方法があると思うのですけれども、非常にすぐれた方法でやられた、いい例だと私は前から感じていました。きょう、菅野係長さんのお話を聞きまして、改めてそれを深く感じました。

それから、上湧別さんのTOMも一つのやり方だろうと思うのです。私は、これも非常にいいことだと思います。係長さんは、今回勉強して帰ったら、発表会みたいなものをやるということですが、人に教えるということはすごく大変なのです。私なんか、長年やっているから、どうにかこうにか、ごまかしつつでも、皆さんに私の持っているものの一部分だけでも伝えようという努力はしているのですけれども、上湧別の係長さん、帰って、ボランティアスタッフの方に教えるのはきっと大変だろうと思います。

でも、教えるということ、教育ということでは、「教育というのは教え育てるのではない。共に育つのだ」という説をとなえて、「共育」という書き方をされる方がいらっしゃって、私もその理論はとても好きですが、そういう意味で、これも一つのやり方で、いい例だと思います。

それで、「かでる」の木全さんがわざわざ現場に行って、持てる知識をフルに発揮して指導していただいているようなお話を聞きまして、私としては非常にうれしく思っております。せっかく道のお金で建てた道の小屋ですし、技術を持っている方がいるのですから、ある意味での情報発信基地として、道民活動振興センターという名前にふさわしい、非常にいいシステムがこれからできるのではないかと思っています。

それと、3館の側を聞いて、こういう変な大都市にいますと、ある意味ではとてもうらやましいと思いました。ソフトがないのに先に箱ができてしまって、高橋さんにしても菅野さんにしても助安さんにしても、大変ご苦労なさって劇場を立ち上げてきたわけですけれども、その中でも、心があればできるのだなと。きのう、おとといと技術講座をやってきましたけれども、本当は技術ではないのです。心なのです。

ただし、私たち3人が言ったことで、事、安全にかかわることだけは心と関係ありません。これは絶対守っていかなければならないのですけれども、安全以外のことでは、照明でも音響でも舞台でも、何をやってもいいと思っています、安全性が確保できるのであれば。

そういう意味で、今回、私たち3人が言ったことは基礎の基礎ですから、これから膨らませていくのは皆さんです。

心があれば何でもできると思って、これから進まれるといいのではないかと思います。

○深澤 ありがとうございました。

それでは、音響の方をいろいろご指導いただきました加藤さんにお願いいたします。

○加藤(日本音響家協会北海道支部)昨日、一昨日と本当にご苦労さまでした。

私は、どん尻なものですから非常に楽な思いをさせていただけるなと思っています。お三方がすべて私が思っていたことを分散して言っていただいておりますので、重複して時間をつぶすのはもったいないと思いますが、私も実は、照明の講師の大野先生と同じ会社の者ですけれども、ちょっと違う立場にいるのです。

私は、会館に常駐して、外回りをすることがなかなかできません。皆さん方と同じ境遇にありますので、皆さん方が困っていることとか、こういうことを知りたいのだろう、やりたいのだろうと

 

 

 

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