日本財団 図書館


います。

平成5年に札響さんに来ていただいたときに、音が非常にデッドだったので、あわてて木造の反響板をつくって吊しました。照明さんとの競合がありまして、中を四角くたくさんぶち抜いて、そこから照明をのぞかせてと。そんなことをやったものがいまだにぶら下がっています。金がつきません。肉声のオペラとか、狂言もやってみましたし、いろいろなことをやりました。

そういったステージと客席、それ以外にロビーとか漫画美術館でもやりました。いつも400人入れたり600人入れたりというふうに考えないで、その部分で好きな人が何百人かという目標を持って設定をしながら、町の方々の力を借りながらやっています。

ですから、良いもの見よう聞こう会の中に鑑賞会員制度があって、今210人、うちの町の人以外に、半分以上は多分外貨獲得になっているのではないだろうか。先にいろいろな広報をしてあげたり、優先して売ってあげたり、そんなことで1時間半や2時間の範囲は私は商圏範囲だと思っています。

そんなことで、教育委員会からちょっと逸脱したような考え方も出てきますけれども、それでなければ館が地域を活性化することはできないのではないかと思いながら、社会教育としてどうなのだろうかと思いながらも、逸脱しながら町の力を借りてやっています。

本当にとりとめのない話になりましたし、行ったり来たりしましたが、実態の事例の発表をさせていただいて、後からたくさんご意見をいただいて、その部分を持ち帰り、また町の人とおしゃべりしながらやっていきたいと思っています。以上をもちまして事例発表にかえさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

○深澤 高橋さん、どうもありがとうございました。

お話ですと、ハード先行型という形で、オープンされてからたいへんご苦労をいただいたわけでございますけれども、そんな苦肉の策の中から、ステージスタッフに民間の皆さんの支援をいただくという形をとられたようです。それが、今お話がありましたように、行政と住民とのパイプ役になっているのではないかと思います。

これは恐らくこの後の議論展開の中で出てくると思いますけれども、今、住民の皆さんを館の運営にどんな形で入れていくかというのは大変大きな一つの課題になっておりまして、そういう意味で大変興味深いお話だったと思います。

 

?B コメント

 

○深澤(北海道公立文化施設協議会会長)それでは、今お三方から事例発表をいただきましたので、コメンテーターの皆さんに、それぞれのお立場からのご意見をいただきたいと思います。

切り出しは、館を経営されているというお立場もございますので、助安さんにお願いいたしたいと思います。

?@助安(たかすメロディーホール館長)10カ月前は現場で走り回っておりまして、今は館長ということで、管理というよりは、実質的には現場の担当者にすべてお任せという形でやらさせていただいています。なぜかといいますと、私も、お任せしてもらった方がやりやすかったから、その分、現場にすべてお任せしよう、そして困ったことは相談に乗るという考え方で今進めさせてもらっています。

私も、オープンの4カ月前に担当することが決まりまして、それから4カ月、備品導入から立ち上げというつらい思いをしました。今お話を聞いていまして、どこもハード先行で、要するに、器ができて何をしていくかという部分の議論が足りないし、環境づくりがなかなかできていなかったのではないかと思いますが、担当になれば、そこをこなしていかなければならないわけです。

今いろいろな工夫を聞かせていただきましたけれども、困れば知恵を出さざるを得ない、その中で必ず、周りのいろいろな住民といいますか、そんな形の支援がどこかから出てくるのかなというふうに心強く思っています。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION