最後になりますが、技術スタッフの確保というのは、ホール側から必要性を訴えるというのも大切ですが、受けた業者も、自らまちづくりやいろいろな団体の協力というものをすることによりまして、技術スタッフが確保されるのだというように考えます。
そのときに重要なのは、そういう地元に密着した展開ができるというのは、地元の業者でなければなかなか実践ができないと思います。札幌市とか東京とか、そういうところから優秀な技術スタッフの方をお願いして来ていただいても、私どものような小さな町の中で、住民に密着した土着型の展開というのはなかなか難しいというふうに考えますので、地元の業者に技術スタッフをお願いしていく。その場合に、ボランティアではなく、きちんと応分の費用を支払ってということが大切だと考えています。まとまりのない話になりましたけれども、以上で中標津の発表を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○深澤 ありがとうございました。
今お聞き及びのとおり、中標津町は、ホール経営そのものを財団でおやりになっており、町村段階では大変珍しいケースです。
それからもう一つは、舞台技術については地元の企業に委託をしている。しかし、地元の企業と申しましても、ある程度そっちの方向に関心と技術を持たれた方を専業の形で、地元の方々の力で企業化された方に委託をしているという、専門業者委託型でも実質的内容が少しほかのものとは違うような感じがいたしております。
それでは次に、上湧別町の高橋さんにお願いをしたいと思います。よろしくお願いします。
?A 事例発表「民間スタッフの配置は苦肉の策から」
○高橋(上湧別町文化センターTOM館長)上湧別町文化センターTOMという、条例上の正式な名前がTOMというところまででありまして、私は、この文化センターTOMから参りました高橋です。どうぞよろしくお願いいたします。
私の町は6,500人を少し切った純農村の小さな町で、5月の下旬ごろが一番いいのですけれども、120万本のチューリップが咲くという、今は雪の下で芽が眠っていますけれども、そんな町から来ました。
皆さんに遅れないように平成5年に文化センターという箱物ができまして、地域の文化の発信基地という部分で何とかみんなについていこう、こんな形でやってまいりまして、たまたま今回、事例発表の場をいただきました。
簡単に申しとげますと、大きな課題がたくさんあります。その実態を皆さんに直接お話をして、たくさんのご意見をいただき、そのことで継続的に文化活動の糧にしたい、そんな考え方で参りました。
レジュメを1枚めくりますと、「文化センターTOMの概要」というふうにありますが、このTOMというのは、私の町は一昨年が開基100年だったものですから、多分、新聞紙上、雑誌、テレビ等でご存じだと思いますが、「ふるさと館JRY(ジェリー)」という博物館ができまして、ウルグアイ・ラウンド対策の経費5億円をもらってきた云々で、随分いろいろなことを言われましたが、私は今でもたいへんいいことをやったと思っています。その辺のニュースを聞いた方がいると思いますが、それで、 トムとジェリーということがありまして、これは町の方々から公募をいただいてつけた名前です。トムはいろいろな意味があって、その意味の頭文字をとってTOMにして、ジェリーも同じようにJRYとして、無理やりジェリーと読ませて、これは町の人たちが感覚的につけられた部分で、条例上、アルファベットが出てきたのは開基100年になって初めてです。そんなおもしろい感覚を町の人たちの力をかりてやっているということです。
それからTOMの概要ですが、平成5年4月にオープンし、そのときに、文化センターが建っている中湧別という地区がありますが、道内でも道の駅が一番最初に指定された場所になっております。