しかし、皆さんにも現場でたいへんご苦労をいただいていると思いますけれども、いろいろな問題がございまして、その課題解決のためにいろいろな場面で勉強会をやっているわけでありますが、今日のこの席では、技術スタッフの皆さん方が中心でございますので、技術水準の確保ということをテーマにさせていただいております。これも実はたいへん大きな問題でございます。
恐らく講座の方で先生方からもお話があったと思いますけれども、ステージの上で要請される技術というのも、設備そのものもたいへん高度化してきているということもございまして、技術がたいへん高度化・複雑化してきている。
もう一つは、自治体ホールの事業展開が従前型のような興行的貸館型といいますか、館をお貸しして、あとはどうぞというスタイルから、地域住民の皆さん方がステージで何かをやるという形、いわゆる参加・手づくり型とか創造型とかと言っていますけれども、そういう方向が非常に高まってまいりました。
したがって、自治体ホールで働いている皆さん方のサゼスチョン、アドバイス、特に技術スタッフの役割というものがたいへん大きくなってきているということでございます。
それで、今日のテーマであります技術スタッフの確保とか、あるいは技術水準をどのようにして維持していくかということ、これは自治体ホールが住民の皆さんに喜ばれる施設になるかならないかというかなめの問題であると思っております。そういうようなことを踏まえながら、これから全体討論を進めさせていただきたいと思います。
それでは、早速、事例発表はお願いいたしたいと思います。
中標津町の菅野さん、どうぞよろしくお願いします。
?@ 事例発表「自治体ホールの技術水準の確保について」
○菅野(中標津町総合文化会館事業係長)私、昨日、一昨日と舞台実技講座の方も受講させていただき、勉強をさせていただきました。
今日は、それぞれ地域で工夫されて会館運営をされている方々がお見えになっていると聞いておりますので、その辺を勉強させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
まず最初に、中標津町の概要と中標津の文化会館の概要を若干説明させていただきます。
中標津は北海道の代表的な牧場地帯でありまして、位置的には、北海道の東の方に位置しております。北方領土が間近に見える町で、人口2万3,000人の小さな町であります。
基幹産業である酪農を中心に、近隣市町から消費者が集まり、本州資本も入り活発な経済活動を展開している町であります。
人口は2万3,000人ですが、周りの町村を入れて、南圏人口は5万5,000人と言われております。
そういう町に平成7年7月1日に、生涯学習の町民の文化・学習活動や交流の中心施設、コミュニケーション活動の拠点として、文化会館、公民館、図書館、美術館などの機能を有する4つの複合施設として中標津町総合文化会館がオープンしました。愛称は「しるべっと」と言います。
文化会館の規模ですが、大ホールで1,010席、小ホールで306席という規模でありまして、公民館機能として研修室を15室有しております。
特色ですが、何とか地域の特色を出そうということで、ムツゴロウさんこと畑正憲さんを名誉館長に委嘱しまして、グローバルな視点から物事をとらえていこうということで各種事業を展開しているところであります。
稼働率ですが、大ホールで40%、小ホールと他の研修室で90%を超えており、限りなく100%に近いというような状況で、たくさんの方に利用していただいております。
近年、公立文化施設は、全国各地で近代的な施設が相次いでオープンしていますが、地域の文化ニーズに合った施設の有効活用を図り、適正な管理運営ということが強く問われているところです。
中標津の場合は、平成7年にオープンいたしましたが、多分、道内の町村では唯一だと思いますが、平成3年に財団法人を設立しまして、オープンの年から、財団法人に管理運営を全面的に委託