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ものすごい迫力を感じました。巨匠バイオリニストのアイザック・スターンさんをゲストにお招きするということも徳永さんのほうで意図されまして、お招きしましたところ、非常に意欲的な取り組みをいただきまして、スターンさんの情熱にひっぱられるような感じで、日本人の演奏家もよい方向に緊張感が演奏会にむけて高まっていく感じを受けました。そしてその演奏自体がものすごい迫力で、熱気あるじかも非常に温かい音楽がつくりあげられていきました。それを会場にいる客はストレートに感じますんで、ステージと客席が一体となって音楽をするよろこびと聴くよろこびが、なんていいますか盛り上がりが出まして、これまで経験したことのなかった場内の雰囲気というものを感じたような次第です。最高の芸術にふれることの効果っていうんですか、本物のもたらす効果というのは、すごいものがあるんだなというのを肌で感じたような次第です。それからチケット料金の方も、低価格にしまして、スターンさんが出られるものでも6千円がいちばん高い席で、他のコンサートでは安い席では千円なんていう席も作ってありまして、こういう低価格におさえましたことで他のクラシック音楽の公演の時よりも若い方、高校生ですとか大学生が多くきてくれたということもあります。主催者としては、このような新しい動きが出たということにおおいに期待しているところでございます。

それから音楽祭の一環として実施しました教育普及的な意味合いの事業ですけども、「子供のための音楽会」というのがありまして、県内全域から小学校6年生1800名を公募して参加してもらい開催したものです。それぞれの市町村で抽選ですとかいろんな方法で参加者を決めてきていただいたわけですけども、第1回の音楽会ではレオポルト・モーツァルトのおもちゃのシンフォニーのおもちゃの楽器の部分を小学生が担当しまして、徳永さんが事前に指導して、ステージ上でプロの演奏家といっしょに演奏するという機会づくりをいたしました。子供たちにとってはいい経験になったんじゃないかと思います。それからスターンさんが出てきてこどもたちがいっぱい質問するんですけど、その素朴な質問に答えるという場面もありまして、自分なりの方法でスターンさんがご自分のメッセージをお伝えになっておられたというのが印象的でした。またNHKのテレビで放送されました、五ヶ瀬町という山里の小学校のこどもたちが4時間ぐらいかけてバスでこの音楽会を聴きにくるというドキュメンタリー番組がありました。参加者の選び方からいろいろとあって、たとえばバスに酔う子が自分で辞退したとか、ピアノならってる子を優先したとか微笑ましいところもあったんですけども、その中では、この小学校の女の先生が音楽会に行く子供も行かない子供にも平等にアイザック・スターンさんの演奏するCDを聴かせて、それからどんなイメージを抱くかということを、ことばで表現させておられるところを拝見いたしました。このような事業がきっかけとなって、地道な教育普及

 

 

 

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