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すれば、60人の合唱を両手で伴奏ができるほど、人間はみんな素晴らしい才能を持っているんです。

そういう地域の人々の才能を開発するのも、文化会館の仕事だと思っています。つまり、皆さんには地域の人々の人間の中心に立って頂きたい。それが今最も必要であるし、21世紀にはそれが当然の如くに文化会館に要求されてくるそれが地方分権の時代であります。そういうことを、21世紀になって地方分権が実施されてからやったんでは遅いんです。日本の行政というのは何でもその場限りです。その場が間に合えばいいと。先見性に欠けているのです。ですから、今のようなバブルでも何でもああいう大醜態を演じてしまうのです。

文化というのは常に先取りをしてこそ文化なんです。先程来申しておりますように、古いものができないものは新しいものも出来ない。しかし、古いものにこだわっていたら新しいものはできないんです。古いものをしっかりと弁えると同時に、新しい芸術は何かってことも同時に考えていかなければならない。その要素は、既成の演劇やオペラやバレエだけにあるものではありません。皆さんの地域の中に、それこそ地域というのは、私自身の体験からして宝の山みたいなもんじゃないでしょうか。

どこにでも新しい文化を興し、そして、そのことを知らしめて、みなさんの地域の人にそれぞれに郷土愛を持っていただく。私が文化振興基金の制度を作って様々なことをやっています。それも究極は熊本県民に郷土愛をもってもらいたいからです。1回目のこころコンサートで、私は文化振興基金が一銭もなくなりまた。しかし、その後、現在の福島知事と折衝して、調整金という名目で、この自主事業に年度を越えて使えるお金5千万円の予算を付けて下さいました。これによって第2回のこころコンサートも計画することができました。皆さんの会館でもそれはできるんです。一生懸命、県当局、市当局と交渉すれば調整金という名目で皆さんのところに予算を出して、それによって先取りをしていくことが可能なんです。熊本県、現に私どもの劇場はそれをやってるわけです。

私は全国の館長さんの会議でこのことを言うんですが、反応して下さった館が数館あります。でも、全国の文化会館がこうした先取りのできるような予算措置ができたときに、いろんなマネージメントをして下さる方達のお気持ちも生かせるんじゃないかと思います。それを打開するのは皆さんの情熱です。そして予算がないんじゃないんです。予算を獲得しようとしないんです。そういう努力をまずしてほしい。そしたら必ずお金はついてくる。

私もその調整金をつけるまでに、熊本県立劇場を委嘱されてから8年の歳月がかかりました。時間はかかるんです。だけど職員が努力をしてくれる。そして行政側も努力すればそういう措置はできるんです。そういうことを全国の県市町村の文化会館がやったら、私は日本には素晴らしい文化の花が咲きそろって、地域がそれぞれ素晴らしい個性を持つことができるんだということを信じます。私はみなさんにその力は十分ある、全国の文化会館を歩いてそのように思います。どうか新しい時代のために、皆さんが持っている全ての力を地域のためにお尽くしになって頂けませんでしょうか。ありがとうございました。

(拍手)

司会 鈴木先生、ありがとうございました。以上で本日の日程を終了いたします。なお、このあと、パレスホテル新館2階において交流会を開催いたしますので、お集まり頂くようお願い申し上げます。開催の時間は一応5時30分となっております。少し時間が詰まっておりますが、なるべく急いで移動をよろしくお願い致します。交流会案内地図をロビーに用意してありますので、ご利用くださいませ。また、職員もロビーの方におりますので、お気軽におたずね下さい。それでは交流会でお会いいたしましょう。

 

 

 

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