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「あなたの手をわたしに、わたしの心をあなたに(ユアーハンド・マイハート)」と申しますが、このテーマ曲を作詩作曲いたしまして、フィナーレでは生のオーケストラの80名の演奏でみんなでこれを合唱しようという企画でした。

第1回に参加した障害者が700人、1年間練習してくださった方達が900人でございました。そしてお客様にもこのテーマ曲のCDを買って頂くことを入場券にいたしまして、お客さんに全部テーマ曲を覚えておいて下さい。最後4千人で合唱しましょう。そういう計画をたてました。

最初反対されました。行政が縦割りになっている関係で障害の種類が違ったって全部縦割りになっておりまして、障害の種類が違ったって触れ合わないんです。1年間も健常者と練習して、最後にあらゆる種類の障害者の人が全部集まって、4千人で合唱するなんて信じられません。みんなそう言われました。厚生省を初めどこでも。施設も反対しました。「うちはやや重度の障害者施設です。昼間からみんな素っ裸で飛び回ってんじゃないですか。どうやったらあの人たちに音楽が教えられるんですか。」みんなに言われました。

だけども私は18歳の時に巡り合ったあの子の、みんなの分を洗濯しているあの洗濯する才能を信じました。どんな人間にも素晴らしい才能はあるということです。やや重度の障害者施設のところへ行って一人一人あたりました。あるところで、重複障害です。しかし右手の人指し指の先に感覚が残っておりました。この2人に色紙に「ド」なら「ド」って書いて、これは「ド」っというんだよ。32歳の男性と24歳の女性です。そしてこのキーを押すんだよ。そこから始めて1年間練習しました。そして第1回のコンサートでこの2人でオルガンを2曲連弾しました。そのうしろで40人が素晴らしい合唱をしてくれました。人間不可能はないんです。

文化会館で一番問題なのはみなさんがお金が無いから、何が無いから新しい文化を作っていくことは不可能なんだって考えてしまうことが一番恐ろしい。障害者の一番の障害はなんでしょうか。自分が障害者だと思うことです。文化会館というのは「県内の文化の、或いは市の文化の頂点に立ってやるんだ。」という意気込みが皆さんに一番必要なことではないかと思っています。

人間は、誰しも素晴らしい才能をもっいるし、みなさんもそうなんです。全然耳の聞こえない子供たちが4分間の和太鼓の曲が演奏出来るようになりました。ハンドベルの演奏もできるようになりました。先生のサインでリンリンとやるんですが、真ん中でリードした中学2年生のお嬢さん全盲なんです。このお嬢さんも机の上に並べられたハンドベルを見事にとって演奏しました。チーム60人が合唱するときにこの盲目のお嬢さんが両手でピアノ伴奏をしました。1年前ピアノに触ったこともないお嬢さんです。だけども1年間ボランティアに励まされて練習

 

 

 

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