すが、この神楽を習った子供でいじめや非行に走った子供は1人もありません。」
そういう言葉を聞きました。
私はこれに大きな力を得ました。3年前私は全国の18の都道府県で、伝承芸能を調べました。そしたら、伝承芸能のあるところに非行やいじめがないっていう事実を知りました。小さいときから地域の大人の人が子供たちを抱き込んで教えるんです。この子たちが中学、高校になっても教えてくれたおじさん、励ましてくれたおばさんが近所にいたら、そんなところで煙草は吸えませんというんです。地域の子供は地域で育てるというんです。人間の教育には家庭教育と学校教育ともう1つ地域教育ってのが必要なんです。伝承芸能は見事にこの地域教育を江戸時代からやって来たということを知りました。
それが過疎によって壊れてしまう。ですから、現実に凶悪な犯罪が起こるとそれが地方でも起こる場合が多いじゃないですか。大都会ばかりが犯罪の巣じゃありません。地域教育に地域の連帯が欠けてしまっている。しかし18の都道府県で調べましたところ、伝承芸能のあるところに非行やいじめが無いってことがわかりました。
この神主さんの言葉は、生まれて初めて聞いた言葉です。伝承芸能も初めて見ました。東京の下町にも獅子舞や何かがありました。しかし、それはお祭りの時にちょっと目に触れるだけです。日常生活の中に溶け込んでいるものではありません。儀式としてのお祭りが東京ではあるわけです。三社さんなら三社さんがありましても、日常生活の中まで三社さんが溶け込んでいるわけではありません。
だけども、伝承芸能というのは、地域の大人も子供もみんな生活の中でそれを知り、そのお囃子が鳴りはじめると血が騒いでくるという伝承があるわけです。私はこのことにびっくりしました。なおかつ、その神主さんの物置を調べさせてもらいましたら家系図が出てまいりました。正治元年の鎌倉時代からの家系図が出てまいりました。元禄4年のころのご先祖様がこの前のところを清書したのも出て参りました。そして享保16年と裏に書いたお面も出て参りました。
私がそこに行きましたのは1988年のことでございますから、享保16年というと264年前になります。これは間違いないといって、子供たちを集めて、もう一返このお神楽をやろう。そして練習を始めました。そしたら学習塾に行っていた子供たちが、こっちの方が面白いよって入ってきました(笑)。私は上の衣装を先程の基金で京都に注文しました。しかし、子供たちが入って後からこれを追加注文しました。
そして、平成元年の8月4日これを私の劇場で上演しました。この8月というのは私の劇場は