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なのが出来て、東南アジアの人が田んぼを耕してますよ。私達日本人は稲作から沢山の精神性を学びとってきました。その具体的な現れがあの伝承芸能になるんですが、それが目の前で潰れていくんです。自由化の他にやるべきことが沢山あるんじゃないでしょうか。そういうことを強調してまいりました。

しかし、ウルグアイラウンドで自由化を迫られているとかいって、結局平成12年まで、米を輸入しなければならず、その後は、それを続けていかなければならないという羽目に追い込まれました。あのウルグアイラウンドの議事録というのがほとんどがマル秘なんですが、最近私、偶然なことからこの資料の一部を入手しました。アメリカ側の資料なんですが、何とここには、日本に自由化を期待するなんてことは一行も書かれておりませんでした。日本は食管制度を維持していくだろう。それが日本の農業を維持していく一番いい方法なのではないか。何で日本のマスコミや政治家は自由化自由化ってあんなに騒ぐんだ。我々はあんなに騒いでいるけども、日本の自由化に対して2パーセント程度の関心しかもっていないっていうんですよ、そのデータは。ただし、日本人っていのうは、すぐ猿まねをするから、よそでもって自由化をしてれば、自由化のチャンスがあったらそれに乗っかってくる。黙ってほっといたって日本は自由化をするよと書いてあるんです。むざむざとクリントンの世界にアメリカの自由をの政策に乗せられてしまったわけです。

つまり、それほど資料ってのはあてにならないということです。それは自分で確かめた資料しかあてにならない。それを知ったのが伝承芸能に出会った時です。行く前に調べてまいります。その村、その町を。そうすると、どういう伝承芸能がある。で、資料を集めます。そうすると、「我が村には江戸時代から神楽が伝承されています。」とここまで書いてあります。ところが過疎のために今できなくなりまたとか、今3分の1しかできません。これは書いてないわけです。これを書くとお金がでませんから。飲めなくなっちまうわけです。そうすると「伝承されています。」と、ここまで保存会が書きます。これを村役場、町役場にあげます。そして日本では公務員が現場に来ないんです。確かめないんです。あくまでも文書主義だからです。

今から7年前に台風19号が来ました。あの前の年に国土庁が主管いたしまして、21世紀の地方行政の基礎原案ってのを頼まれたんです。その基礎原案の副題に私なんて付けているかというと、「文書主義から現場主義への転換」って書きました。もう文書でやっててはいけない。公務員よ現場に立て、現実を見つめろ。そこからでないと文化は始まらない。何もかも始まらない。文書でやっててはいけない。保存会が書いたのが町役場へ行き、何にも見に来ない。このまま県庁に上がる、また見に来ない。それが文化庁に上がる、また見に来ない。文部省に上

 

 

 

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