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うところから文化会館ってのは、始めなければならないんじゃないでしょうか。ただ建てた。さあいらっしゃい。これは、中央的なやり方なんです。地方の文化会館ってのは先程申しましたように、あくまでもその土地の方との人間関係を基本にして全て考えなければいけない。その土地の方に申込みが来たときから、どうしてどうやって楽しんでいただけるか、そこからまず、出発しなければいけないのです。お役所的な考え方からすると、貸してやるんだという考え方、事務的にただ取引すればいいんだという考え方になってしまうんです。ですから、文化が楽しくないんです。日本では。

文化会館へ入ったら、ああ、ここが楽しいところなんだっていうそういう雰囲気を、まず職員が作っていかなければならないんです。アートマネージメントとか色々難しい問題もあります。だけども、そんなことよりもまず、そこへくるのは人間なのだということです、そういう視点が、まず職員の方にあるということ。このことが極めて重要なことではないでしょうか。

先程申しましたように、地縁、血縁を大切にして行政の方から文化を一軒一軒の家に或いは福祉を出前することだということを言って参りました。建物を建てました。さあ、いらっしゃい。これは東京のやり方です。しかも東京の中の、ある限られた東京文化会館とか黙ってても人が借りにくるようなところのやり方です。むしろ劇場あるいは文化会館から県民、市民、町民、村民の中へ出ていかなければならないんです。そのために私は7月1日に参りまして、8月の初めから県内96市町村を半年かけて一つ一つ歩きました。そして、どういう文化がこの村、この町にあり、そしてどのような人材がこの町にいるのだろうかとたずねて歩きました。

1,500館にあまる文化会館がありますが、文化会館の職員自体がその地域を歩いたってことは果してあるんでしょうか。しかも館長さんも公務員が大部分です。公務員をお辞めになった方とか、或いは出向の方とかそういうことがありまして、日本の公務員の方ってのは実によく働きます。私もNHKの人間でNHKの人間はよく働くと思っておりましたが、公務員の方も実によく働きます。これには感心しました。今でも感心しております。だけども、一人一人は非常に優秀なんですが、組織という中に入ってしまうと硬直してしまう部分があるんです。第一、自分の県の中、自分の町の中、村の中を歩いてないってことです。

これはどういうところで証明するかというと、私がずっと歩きました。そこで2つの事実に出会いました。1つは、神楽その他の伝承芸能っていうものが、どこの市町村にも3つ以上伝承されているという事実でございました。先程申しましたように、放送というのは、終わりって出たらそこで終わりなんです(笑)。あとエネルギーがつづくかどうかっていのうは、それはもう視聴者任せなんです。放送なんてのは送りっぱなしって書くんだから、そこでおしまいで

 

 

 

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