特別講演
演題:「地域の個性をいかにして開発するか」
地方分権時代と文化会館
講師 熊本県立劇場館長 鈴木健二
司会 間もなく講演会を始めますので、お席にお着きください。
只今より特別公演として、熊本県立劇場、館長、鈴木健二様より「地域の個性をいかに開発 するか。地方分権時代と文化会館」と題しまして講演をいただきます。講演に先立ちまして鈴木先生のご紹介を申し上げます。
鈴木先生は昭和4年、東京の下町生まれの生粋の江戸っ子で、旧制東北大学文学部美学美術 史学科を卒業。昭和27年アナウンサーとしてNHKに入局、昭和28年テレビ放送が始まると、あらゆる分野の番組に次々に新境地を開拓し、中でも「こんにちは奥さん」「歴史への招待」「お元気ですか」「クイズおもしろゼミナール」等は印象に残る番組として知られ、紅白歌合戦や海外取材にも活躍。その歩みはテレビ創世記の歴史とまで評されました。その間、テレビ大賞、日本ユーモア大賞、日本雑学大賞、春風賞、その他多数の賞を受賞なされております。
昭和63年1月、NHKを退職なされ、同年7月から熊本県立劇場館長に就任。熊本県立劇場文 化振興基金を創設し、ここに熊本で得られる全収入を投じ、これにより、岩戸神楽三十三座の 完全復元徹夜上演。江戸時代からの絵巻物からの文政3年棒踊り、創造復元公演など、伝承芸能の再発掘や若い人たちの芸術活動への支援などを通して、地域興しを行い、さらに3年の歳月をかけて、障害者と健常者4千人の愛の大合唱、「こころコンサート」を2度にわたって実現。それらの模様を衛星放送で中継して、全国に地域のエネルギーを発信しています。
また、公立の文化施設としては初めて、チアリーダーチームを結成したり、社会人のために 日常塾を主催するなど、地域の文化と福祉のために奉仕的な活動をなされています。また、著書では「気配りのすすめ」「こころ物語」「あなたの手をわたしに」など人生論を中心にした作品でベストセラー作家としての地位を築き、著作は既に180冊を越えています。
それでは鈴木先生に「地域の個性をいかに開発するか、地方分権と文化会館」についてご講 演いただきます。鈴木先生、よろしくお願いします。
鈴木健二 熊本に参りまして県立劇場を中核にいたしまして、村おこし、町おこしをやって10年になります。何で熊本行ったのかってのを未だに人に会う毎に聞かれますし、マスコミが次々に取材に来ますが、理由は1つしかないんですね。10年前に高知県が呼んでくれなかったというだけのことでございまして。(笑)後は何の理由もありません。
ただ、東京には住みたくないなと思っておりました。私は、先祖代々の江戸っ子でございまして、元禄の終わり頃からずっと隅田川のほとりで小さな商いをしていたうちに生まれました。私も昭和20年3月10日の東京大空襲で、東京の下町が焼け野原になるまで、丁度旧制中学を卒業しまして旧制高校に入る境目の3月10日まで、隅田川のほとりで育ちました。