2回目の近松劇場は「鑓の権三」をやろうということで、その時は、「鑓の権三」をオペラ歌手にやってもらいました。相手役の女性には宝塚出身の加茂さくらさんにしてもらいまして、同じ宝塚の西尾美恵子さんとオペラ歌手と、舞踊の方にも参加してもらったのです。役所がなかなかそういうのをやってくれへんというところもありますけども、民間の中でも常識がまちまちなんです。それで一緒にやった時困りましたのは、舞踊の方に出演料を払いましたら、足袋とか着物は自前なんですが、オペラの人は足袋や化粧道具とかそういうものは全部主催者持ちなんで、ギャラは話がつくんですが、そういう出費が違ってくるということで一率には出せない。その時は民間と違う役所だから舞踊の方と一緒にあわしてくださいと依頼して、今度はこういう趣旨でやっているんだからというような話をさせてもらい了解を取りました。我々はやっぱりプロデュースすると問題はいっぱい出てきます。それは乗り越えなしようがありませんが、実はあの「鑓の権三」で刺されるシーンがありまして、芝居にリアリティーを演出家が出したいということで、紅ガラをつかいたいいうことであったんですけども、衣裳屋に紅ガラなんか使わんと普通の絵の具でやってほしいということがあったんです。どうしても真にせまってきますと、衣装に紅柄がついてしまった。これは洗おうと思ってもなかなか落ちないないんです。洗おうと思ったら50万ぐらいかかるんです。その時はわからなかったんですが演出家と衣裳屋とがけんかになりまして、最終的には我々の方で衣裳屋と話を付けたのですが、このような問題もプロデュース公演をしていると起ってきますが、いい経験をさせてもらったと思っております。それから今言いましたように、加茂さくらさんとかいろんな人が出ているわけなんです。プログラムだとかチラシとかポスター、歌舞伎なんかもそうですが、キャストの名前を並べるときに点を入れるだけで違う、この間隔が違うだけでもものすごい違うんですね。それでミスりまして、相談なしに作ってしまったということでお小言がありまして。こんなチラシだったら出来ないということになって、もう一回作りなおすかそれとも話をさせてもらうかということで話をさせてもらったんです。
今まで、12年間で事業はだいたい1,000事業、2,000公演をやってきました。平成7年の10周年記念誌にも入ってますけど平成7年が10周年だったんで、これは111事業220公演程さしていただいたんですが、これも10周年記念事業ということじゃなくて我々は「メイシアター・プレゼンテーション・NEXT・10」いうことで何か新しい事を考えられないか、又10年間の経過を踏まえてさらに21世紀そして次の10年に向かって何かをやりたいということで、111事業220公演程やらしていただいたわけなんです。
これも出来るだけ我々の手でやりたい。ただいいものを東京からも呼ぶだけでなくて。近松