たとします。ミュージカルという例で申せば30ヶ所30公演ということを考えれば、一応同じような規模の千人のホールが連動すれば、現実的には制作、公演は可能です。例えば単純にワンステージ400万かけたら30ヵ所で1億2,000万円です。ロイヤルティ、上演権料は別として1億2,000万円もし予算があれば、900人のドラマシティ規模のミュージカルは十分に制作できるというのが真実です。もしそういう談合の席、こういう席でそういうお話し合いができて、こういうミュージカルを僕はやってみたかったんだみたいな発案者がいらっしゃれば、そういうものを作られれば、ホールの手を組んだオリジナルな企画の公演が可能になる。何も東京のプロダクションに発注をしなくても、ご自分達の発案で公演ができると思います。
そういう意味で、レジメの最後にネットワークの必要性というのを書いておきました。これまで大は小を兼ねると言いましょうか、我々が地方へ持っていっても『アンネの日記』っていうのは8人の俳優、5人のミュージシャンの小さいものなんですけれども、巨大な2,000人の小屋でおやりになるところもあれば、1,000人ぐらいのところでおやりになるところもある。800人のところでやられたケースもあり、どうしても大は小を兼ねる、みたいな現実がまだ残っています。そろそろそういうお考えを改められて、同じような規模のホール同志が全国で手を組む。オペラの場合だと、横須賀のホールだとか、あるいは愛知の芸文だとか、浜松のホールだとか、今度、大津にできるびわこホールだとか、あるいは我が兵庫県が今作ろうとしているひょうご現代芸術劇場だとか、そういうところがネットワークになって多面舞台協議会というのがあるようなんです。そのホール同士で一つのオペラを招聘する、というような企画を進めたいというようなお話をもれ聞いているんですけども、こういう動きがようやく音さんの間で出てこられた。私は関西の人間、神戸の人間ですけれども、東京ではなかなかこういう発想は生まれないと思います。大阪で昨年秋にこういう催しがありました。ご担当の当事者が今日お見えなんで、あんまりこういうこと言うとおもはゆく思われるかもわかりませんが、7つほどのホールがヴァイオリニストの辻久子さんのヴァイオリン・コンサートを『クルージングコンサート』として企画されて、これが共同事業で大変成功をおさめられました。こういうのはあまり東京周辺では見られない現象です。
だから今後そういう、この指止まれではないでしょうけれども、誰かが発案をして、誰かが賛同して、一つのユニークな発想の公演が持たれる、ということが今後出てくると思います。それが企画であり、プロデュースということにつながるわけなんです。彩の国さいたま芸術劇場がそういうことを標榜された。これは私がいつも言うことなんですが、「ストーリー性のある企画」と言うんですね。シェイクスピアの全作品を蜷川幸雄で13年間に亘って展開する。こ