ある、という論議が 澎湃と起きまして。国や州、芸術団体は、公的資金を使うんじゃなくて皆の寄付金を出しやすい体制を作ろうということにしたんです。会社、財団、社団、公益法人それから個人も寄付をしたら全部経費として認めるという法律を作って、民間の寄付で成り立つようなシステムが出来上がりました。
近年になってみますと、ヨーロッパよりもむしろアメリカの方がうまくいっているという状態です。そういう中で私達は、アメリカ的なものとヨーロッパ的なものの中間をこれから目指していくべきではないか、という話し合いをしておりますが、これはまた別の議題でございます。ただ、先程申し上げましたように、私達もこういう論議を真剣に考えなければいけない問題が起きました。去年の9月に突然、東京都が文化施設の使用料を場所によっては倍近く上げる。今までにも3年に一度20〜30%は上げてきていたんですが、その時はあまり問題にならなかったんです。今回倍ということで私達も目をむきまして、これは黙っておくわけにいかないということで、中村紘子さんというピアニストを会長にして文化施設の大幅値上げに反対、認めない会というのを作り、署名運動を始めました。署名運動の中には伝え聞いてということで地方からの署名もまいりました。高知からも、沢山の人に署名に応じていただきました。そして、今その数は40万人ぐらいですが、文化団体が反対をして、皆で一斉に立ち上がったのは初めての経験でございましたけれども、その中で非常に大きい論議がありました。
その値上げの大きな理由はこういうことだったんです。その公的な財政の支出については利用者が公平に負担をすべきだということが東京都から出されたんです。これは公平に利用者がその使用料を負担するとなると、とても倍どころではすまなくなるわけで、そういう考え方が今後も起こることに反対をしたというのが金額よりも非常に重要な問題でした。非常に短い期間に何十万もの反対署名が集まったわけなんですけれども、その中で非常に有意義な、むしろ青島都知事に感謝をしなければいけないくらいに刺激的な提案をしてくれたんで、皆が真剣に考えました。これから始まる都議会で論議されることだと思いますが、初めて都議会で文化とは何か、文化とは都民にとって必要なものなのかどうなのか、そしてそこに出てくる費用はどういう形で考えなければいけないかというのが、論議されようとしております。
結果については、私は何とも申し上げられませんが、倍というんではなくて10%台になるんではないかと予測をしております。しかし、その金額の問題よりも、文化は皆にとって必要なものかどうか、その費用はどういうふうにして分担するのが正しいのか、というのが論議される機会を得たというのが非常に重要だと思っております。ちなみに、言いますとヨーロッパでは、芸術文化の到達点、優れた芸術というのはこれは公共の財産である。これは先祖から受け