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(第1日)

 

講演

 

内容:音楽マネージメントの現状について

 

講師 日本クラッシック音楽マネージメント協会会長 中藤泰雄

 

只今より、1日目の研修を行います。講師の中藤泰雄先生をご紹介申し上げます。中藤先生は、早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業。一時、金融機関に席を置き、その後音楽マネージメントの事業に携わることになり、1976年株式会社ジャパンアーツを設立社長。1995年会長に就任。国際的に注目を浴びる各種の音楽事業を手掛けるだけでなく、音楽関係の公益的事業や、マネージメント事業者の社会的地位向上のためにも努力なされております。また、日本クラシック音楽マネジメント協会会長、日本演奏連盟理事、長野オリンピック冬季競技大会文化プログラム委員などの要職につかれています。

それでは、中藤先生には、音楽マネージメントの現状についてご講演をいただきます。先生よろしくお願い致します。

中藤泰雄先生 今ご紹介いただきました社団法人日本クラシック音楽マネージメント協会の中藤です。私達この日本クラシック音楽マネージメント協会の会員会社は70社あり、音楽マネージメントをする会社、私立のホール、あるいは音楽出版社などが加入しております。96年中に行われた日本のプロフェッショナルなクラシックコンサートは約1万件といわれておりますが、その半分ぐらいを私達が自主公演をしたり、あるいは、皆様方を通じて公演のお願いをしているという組織でございます。

最初に、音楽マネージメントというのが一体どういうものであるかということを少しお話させていただきたいと思います。ご存知のように、クラシック音楽は、非常に長い歴史を持っておりますが、中世期のヨーロッパの教会音楽として体系を整え発展をしてきました。その後、中世から300年ぐらいまでは、貴族が演奏家を抱え、そして自分の楽しみと社交のために音楽会を組織してまいりました。従ってこの時代には、音楽マネージメントも存在しなかったし、音楽マネージャーもいなかったんです。音楽の内容を決め、そして、観客を誰にするかということ、すべては貴族が決めていた訳です。

産業革命の後、ちょうど今から220〜30年前でしょうか、貴族ではない市民が演奏会を楽しむ経済力をつけてきだした頃に、みんなが集まって音楽会を催すということを始めたわけです。

それが18世紀の後半、モーツァルトなどが活躍している時でございました。市民が金を出し合って演奏会をやることが、可能になった時に、初めて音楽マネージメントというものが生まれたわけです。そして、不特定多数の観客、と言ってもこの頃は比較的少数のお金を持った、力を持った市民の集まりでしたが、この人達がどういう音楽を聞きたいか、そして、どういう人に演奏してほしいかという希望を出し合って演奏会を作り始めたわけです。ここから、今の音楽マネージメントの原型が生まれたわけですが、最初からはっきりしていたのは、演奏家を育

 

 

 

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