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れは、然るべき所がすればよいのであって、利益を上げるだけである…。」と言うような意味のことを話していました。なるほど、正直な話ではありますが、やはり社会の貢献、教育を忘れた利潤の追求というのは遠慮願いたいのです。かって、司馬遼太郎さんは、『今や日本人には、長い伝統で培った志がなくなってしまった…』と嘆かれたのが私は印象に残っています。たしかに、過去の日本には多くの反省点も見られますが、『割に合うか、割に合わないか』が優先するのではなくて、日本人としての心意気とか志が見られたのは事実なのです。

やがて来る二十一世紀に向かって、経済の再建、行政改革などもさることながら、人間が共に快く生きるには、いかにするかの視点で社会改革に努めなくてはならないと思うのです。今や経済界では、盛んにビッグバンつまり金融大改革と叫んでいますが、この機に私は、是非国民あげての『教育のビッグバン』特に『心の教育のビッグバン』を提唱したいのです。そして私たち高齢者は、今こそ、その範を若い人達に示す時がきていると自分に言い聞かせているところであります。

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ほのぼの賞

平岡清

75歳 茨城県日立市

テーマ

若い世代に託したいこと

サブテーマ

趣味は定年後に生きる

茨城県から参りました平岡でございます。

オープンセレモニーのコーラス、見事だったですね、感動いたしました。実は、私のお話はそういうことを基にしたお話だと思います。

老人福祉法が出来ましたのは今から三十四年前ですが、その三十四年前に一〇〇歳以上の高齢者は全国で一五三人でした。

それから三十四年過ぎた今年はどうかと申します

 

 

 

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