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ような人生の知恵を授かるというようなことがよくあるものです。ご本人にとつては、実は「年寄りの冷水」ものなのですが、こうした庶民の経験が、身近な地域社会に利益しているのではないでしょうか。私は、若い世代にこの「年寄りの冷水のような経験」を語り継いで行って頂きたいと、心から願っているのであります。ありがとうございました。

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ユニーク賞

齋田歌子

68歳 福岡県大牟田市

テーマ

我が良きふるさと

皆さんこんにちは。「月が出た出た、月が出た」よくご存知ですね。この炭坑節に詠われた三池炭坑の町大牟田が私の故郷です。明治の始めから石炭で栄えた町ですが、エネルギー革命で今年の三月に炭坑は閉山してしまいました。 一00年間続きました炭坑の町にかわる新しい町作りを大牟田は今『カルタ』で始めました。皆さんもお正月にすごろくとか、一緒に遊ばれましたでしょ。そのカルタのお話を致します。

一六世紀の終り頃にポルトガルの人が、日本に『カルタ』を伝えました。江戸時代の文献によりますと、筑後の国三池で作り始められたと言われております。日本のカルタは私達の大牟田で生まれ、ここがカルタ発祥の地になります。三池の人が作りましたカルタは、その当時、絵柄の美しさや、遊びの面白さで国中に広がり、京の都では『三池』というブランド名で、喜ばれていたそうです。そのカルタが芦屋市の美術館に一枚だけ所蔵されております。カルタの裏には、『三池住貞次』(みいけじゅうさだつぐ)の五文字がみられます。名所のカルタ館は図書館との複合施設になっています。カルタと本のブックスを、くっつけて付けられた『カルタックスお

 

 

 

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