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・ 医療(投薬、治療、健康診断)

・ ソーシャルサービス

・ 熟練した看護

・ 食事の管理指導

・ 個人的ケア

・ 家事

・ ケースマネジメント

・ 理学、作業、言語療法

・ 話し相手の訪問

・ 設備・備品

これらの在宅ケアが提供するサービスの有用性は、患者の居住地および保険の適用条件により異なってきます。在宅ケアプログラムは、運営管理、利用資格、還付などの点がそれぞれに異なるため、サービスの評価を行うことは問題が多くあります。一機関では提供できないサービスの多くは、他のサービス提供者に委託されているため、サービスの適切な調整が、プログラムの成功には不可欠です。在宅ケアがいったん始まれば、どこでも1日4時間から24時間、週最高7日まで個人的なケアを受けることができます。

 

5. 成人デイサービス

このサービスは、24時間の施設ケアは必要としないが、心身上の障害のために24時間自立した生活を送ることができない患者を対象としたコミュニティサービスです。成人デイサービスの目指すところは、早計な施設への入所を避け、患者の機能を最大限に生かし、患者の社会生活への適合を促し、家族に休息を与え、コミュニティにおける支援サービスを改善することです。これらの目標を達成すべく、コミュニティ内での自立を望んでいますが、身辺処理能力の安全または向上に向けたさまざまなサービスを受けながら社会参加ができます。監視を受けた安全な環境を必要とする機能障害者を対象に、実行可能なオプションを提供するプログラムが実施されています。大半の成人デイサービス・プログラムは、週5日から7日、1日約7時間、患者8名に対しスタッフ1名の割合で運営されています。

成人デイサービスは、成人デイケア、精神障害者デイトリートメント、デイホスピタル・ケアともよばれており、1950年にイギリスで生まれた老人デイホスピタル(外来専門病院)のコンセプトから生まれたものです。

成人デイサービスの定義および要件は州によって異なりますが、プログラムは一般に、

?@ コア : 社会化、家族の休息、

?A 拡大型 : 社会的要素と医学的要素を融合、

?B 集中型 : リハビリテーションおよび医療サービス、

の3つのモデルに分類されます。

およそ4,000ある成人デイサービスセンターに通う痴呆性老人の数は正確には把握されていませんが、およそ50,000人と推定されています。プログラムあたり、平均25人の患者がサービスを受けており、アクセスは、立地条件と交通の利便性により異なります。

コア・モデルは、痴呆性老人のために開発され、次のようなサービスや活動を行っています。ただし、投薬などの看護サービスは含まれていません。

 

【成人デイサービスのコア・モデルのサービスと活動】

○ サービス :

・ 世代間プログラム

・ 回想療法

・ 栄養プログラム

・ 交通手段

・ ソーシャルサービス

・ ショートステイ

・ ペット療法

・ 家族支援グループ

・ 他のコミュニティサービスへの照会

○ 活動 :

・ 社会的(ゲーム、映画、パーティ)

・ 戸外の散歩

・ 美術工芸

・ 運動

・ 音楽

・ 時事

・ オリエンテーション

 

成人デイサービスの1つであり、また養護老人ホームも行っているショートステイサービスは、障害をもつ高齢者ができる限り長くコミュニティで生活できるようにするための戦略です。短期間高齢者にケアを提供することで、家族は介護の責任と重圧から一時的に解放され、在宅でのケアを続ける意欲が養われ、また続けることができます。成人デイサービスは、ほとんど国の規制を受けずに発展したことから、物理的環境、患者の構成、スタッフの配置、運営方法、サービスの内容がきわめて多様です。独立したプログラムもあれば、病院、外来患者診療所、養護老人ホーム、教会、学校、コミュニティセンター、老人住宅団地、ライフケア・コミュニティなどの親組織の構内にあるものもあります。可能な組み合わせはそれぞれ、種々の連携関係を示唆するもので、照会

 

 

 

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