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「思い入れを伝承していく」というような話に私は、最近魅力を感じます。今日、わざわざ持ってくるまではないと思いつつ、時計を持ってきました。これは私が18歳の時に19歳で亡くなった父が買ってくれた時計なんです。18歳の時に遠い高校に通うものだから目覚し時計を買ってくれて、それでもずうっと壊れたままでほってあったんです。それを富士見橋エコー広場館で時計を直す人が直してくれたんです。動かしてくれた。それで始めて目の鱗が落ちたというか、私はやはりブランド物で買った時計よりこの時計が大切だと思い始めました。そうするとこれを作り替えてくれる人たち、直してくれる人たちにいてもらわないと困るんです。やはり、これから作り手と使い手、思い入れをそういう物がほんとに私にとって大切なんだ。こういう物が素敵なんだ。こういう生き方ができる暮らし作り、そんな話をしていきたいと思っているんです。何しろ、大量生産、大量消費というか、そういう使い捨てが文化か文化じゃないとかいう話の中で、全部捨ててきてしまった話のなかで、今、私たちはいろいろな方法にしろ、先ほどの専門家を作るとかなんかとかいろいろなことで手探りなんだけど、今までは何でもクリアランスというか、新しいものがいい、たとえばこの時計はまだ使えるから、私にとっていいんじゃないんです。これは使い続けるから、これと同じ型でたとえば新しいものがあったとしても、それは私にとって何の価値もないんです。これは18歳の時に父が買ってくれて、その後ほっぽといて、使えるように直してくれたから私にとっての宝物なわけです。だからそういう物が私にとって、宝物だという暮らし方、ゆとりというのを作っていく仕組み作りを、役所も皆一緒になって作っていかなければならない時なんだろうというように思います。先ほど太田さんが、今回はおもちゃじゃなくて、環境の方から来て、そっちの方は話しちゃいけないとかいいとか言う話があった。役所側としても、もう1回縦割りという話じゃなくて、市民生活、私たちの思い入れの深い生活作りをするために、役所にしろ、企業にしろ、今変わらなければならないのではないかという時代であるのかなと思います。

話はぜんぜん違いますけど、さっき太田さん、包丁・刃物を使わなければいけないって言いましたよね、ある生物学者がやはり最近の男は刃物を使わなくなったから判断力がだめなんだと言うんですよ。決断力というのは女がいい。女はなんのかんの言っても、毎朝大根をバチャンと切る。これはいるいらないと、年中刃物を手と付き合っているから、判断力・決断力というのは女の方がいいんだ。私たちが手を使わなくなった、刃物を使わなくなった。危ないか危なくないかは刃物で判断するわけですよね。それを五感で感じる暮らし方作り、ある意味では思い入れ作り、そんな話に繋がっていく。どうも私たちは五感を削ぎ落としていくことで便利さとか新しいものが素晴らしいとか、そんな話を、ごみも作っていくというのも、本物のよさというのが分からなかったから、なんかこう物だけを集めればいい。便利だからいい。ペットボトルの問題も、ペットボトルで飲むというのがそんなに幸せなことなのかどうなのか、そんな話も含めながら、息の長い未来作りということが必要なのかなと。行政側の方もだからこれまでリサイクルセンター、たとえば清掃局のなかの資源ごみのとか、ごみでまた使えるものがあるから作るっていうような、まだ使えるじゃないかという生活文化じゃなくて、もうほとんど新しいもの、基準が一番いいものが新しくて、それでそこにまだまだ磨いたりしたら新しいものになるからいいんじゃないかっていうよな話というよりも、消費生活というか生活文化の方から加えて、この時計が私にとっては素晴らしいという見方をするならば、もう清掃局とか、清掃の仕事とか、消費生活の仕事だとかなんだとかの話とは違って、行政側も、私たちの活動ももう1回、そのへんから組み直していくというようなことが重要なのかなというふうに思っております。

時間があれなんですが、もう2つ話させて下さい。最近感動した話です。島根県に石見銀山という所があるんですが、そこの古い家を持っていた

 

 

 

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