日本財団 図書館


『どうしたら皆さんは評価していただけますか』という話になったのです。全国版を作ったあとに、いわゆる大手スーパーと話しまして、おもしろかったのは、『環境への取り組みをやろう。また、やってきたつもりなんだけど、消費者は一体何をいいといってくれるのか』と、それと『こんなんはやっててもつまらんよ』というのがわからんかったと。それに対して、あくまでも我々の見解ではありますが、私たちはこういう点で評価して、こういう点は評価できませんといったので、かえっていい基準になったといってくれたのです。

中にはすごいところがありまして、スーパー全国版というのは、1万冊しか売れてないのです。我々は、10万冊を目指しているのですがね。隣の小池さんとも一緒にやったのですが。おもしろかったのは、全国版で星でランキングしたものでショックを受けた企業が現れまして、環境部門を新たに設置したというところまで出てきたのです。こういう効果もあるなと。それとか、これは西友さんなんですが、むこうはやったつもりなんですが、我々のランクからいくと、最高のランクじゃなかったんです。その担当の部門が、重役のほうに我々がもっとちゃんとやらんと評価してもらえないから、もっとちゃんとしたいということが言えた。重役会議のほうも真剣に受け止めたということを聞きました。そういう効果があるんだなと。それからおもしろかったのは、自治体がかなり興味をもったことですね。いくつかの自治体では、自治体が市民と一緒になって調査したガイドブックを出しています。ただ一つだけできなかったことがあって、それは総合評価だそうです。総合評価でランキングするということは、自治体はできない。それ以外のことは、情報提供であるからできると言い逃れてやる。

私は、ごみ問題を通じてほかにいくつか市民参加のいろいろなことをやらせてもらってるのですが。我々の側がいかにアイデアをだすか、情報をうまくとってくるか、情報を加工できるか、そして提供するか、それをもって他のセクターと話し合いにのぞむか、他のセクターを非難するだけではなくて、うまく変えていくためにそういう道具を使えるか。そういうことがとっても大切じゃないか。思いますと市民参加といっていますが、参加というのは、待っていても実現しませんね。

時代は変わりますから、自治体のほうから『市民の皆さんどうぞ参加してください』といわれるようになる場合もありますが、ある意味でちょっと形式なんです。その形式を実在的な物にするためには、我々のほうからアイデアを持って参加する必要があるのではないか。私は、京都市でずっとやっていて、昔は京都市と私はとても仲が悪かったのです。ただ文句をいっているというふうにしか思ってもらえなかった。しかし、具体的なアイデアをずっと言っていたら相手も聞かざるをえなくなってきた。我々の団体は態度を変えてないのです。京都市のほうから、こういう団体とはつき合っていかないあかんなあと思ってきたみたいで、いろいろなことを具体的に、例えば住民参加のワークショップどうしたらよいでしょうかと。そしたらこんなのはどうでしょうといったら、結構住民の方がおもしろいといってくれたと、京都市のほうもええことできたんやと、またやってくださいみたいなことがあるのです。参加しようとするとき、具体的なアイデアをどう作るか、情報をどう作るか、しつこく迫ること。それを持っていろいろなところを訪ね歩くことが、何か新しい展開を生み出すんじゃないかと思います。私は、今日はこういうラフな服装をしていますが、そういうときは営業服というスーツを着ます。そういう服を着ていないだけで、企業の人は、変な人が来たと思ってしまいますので、そこで追い返されないためにやっています。そんなことも含めたノウハウも必要なんじゃないかなと思っています。工夫を凝らしていくことは、おもしろいことです。よく運動は、楽しくなければいけないというのですが、よく眉にしわ寄せている人がいるのです、楽しくやるということは、自分たちでアイデアを作って、そのアイデアを実現していくことではないかと思います。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION