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けれど。大阪の場合を濱さんに伺ってみたいと思います。実際この新しい仕組みの中でどのくらいのコストが掛かるのか、これから運用の実態を見ないと出てこないのではないかと思います。

 

吉村:東京都は今、全部埋め立てですね。

 

鈴木:ごみに回ったときには埋め立てです。

東京都の場合、ペットボトルは店頭回収約16%、残ったものは分別収集ということになっています。普通の分別ごみということになりますので、破砕しまして最終的には埋め立てにしています。

 

吉村:大阪市では、その計算はどうなのでしょうか。

 

濱:まだ実績が10月からで出てないのですが、先ほどの審議会の中で試算をした数値がありまして、今大阪の普通ごみは混合収集ですので、燃えるごみも、燃えないごみも一緒に週2回収集しています。焼却から埋め立てまで、フルコストでトン4万3〜4千円くらいでしょうか。審議会で試算したときの、大阪市はびん、缶、ペットボトルの混合収集でバラバラで集めてはいません。3点セットで収集した場合は3倍くらいと記憶しています。ですからトン12〜13万円くらい。収集だけでなくて、分別、圧縮して、ベーリングまでのフルコストです。これは集まる量と関係がありますので、総コストは固定費分が非常に大きいので、量が集まらなければ・・。これは中西さんところ、功野さんところの、再生工場も一緒だと思いますが。

 

吉村:混合収集と言われていますが、市町村によってはペットボトルだけを別に集めるところも多いんです。そのメリット、デメリットはどんなものでしょうか。

混合収集だと汚れたり、かさばったり・・。

 

濱:我々は分けてないんですが、分けたほうがきれいなものが集まる。費用と回収率は分けた方が上がることが多い。大阪市の場合は、分けてはできなかった。収集コストは混合の方が当然安くなりますね。単純に言いますと、びん、缶、ペットボトルと別々に収集の車3台出すところが、1台で済むからです。単純にそうはなりませんが。

平成6年、まだ景気の良い時からびん、缶の分別を始めていますが、その後は、粗大ごみの収集も含めてトータルで職員を増やさずやってきました。全部ノルマアップでやったんですけれども、もし大阪で、びん、缶のシステムが無くて、今すぐ3点セットでやれといわれたら、10月にはできてなかったと思います。

 

吉村:大阪市では今後も混合収集でいかれるのですか、それとも・・。

 

濱:今後は、分けていく可能性もあります。更にトレーが出てくる可能性もありますので。

一つシステムを決めたからそれでいくということはナンセンスなので、改善はしたい。ただやりたいということと、コスト的にできるかということは別でして・・。コスト的に見るとしばらくは難しい感じがします。

 

吉村:次の問題に移りますが、私たちも買い物にいくと、ペットボトルの回収箱が店頭に置いてあるとこの店はいい店だなあと思うんですけどね、コストと関係なく環境に優しい店舗とか、東京都では4,000店舗とか6,000店舗とかに増えていくと思うんですが、店頭での店長等の意識、本部でのコントロールとか、チェーンストア協会の対応の仕方はどうなんでしょうか。

 

☆スーパーにとっての店頭回収とは

佐々木:私どももこの法律の前に先ほど申し上げたようなボランタリーでやってる少ない事例ではありますが、コスト計算をしてみました。そのときは有償で引き取っていただくシステムは取れませんから、その分が入っていますが、それを仮に入れて計算した場合でも、ペットボトルの回収は、7〜8倍は掛かっている。

 

吉村:特にどういう費用が掛かりますか。

 

 

 

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