(財)千里リサイクルプラザ
岡田千代子
(工房指導員)
千里リサイクルプラザ市民工房
1. 設立の主旨・現状について
廃棄物の減量化及びリサイクルを促進するため、平成4年に設立した千里リサイクルプラザは、その目的を「廃棄物をはじめそれにかかわる環境・資源問題等の啓発活動及び研究活動を行い、リサイクル活動を促進・支援し、リサイクル型社会の構築とより良き生活環境づくりをめざし、利便性を追求する社会から生活様式の質を高めた真に豊かな社会への転換に寄与すること」と定めています。
このことは、「ごみ問題」について市民や行政・企業・研究者など全ての人々が互いに協力し合って考え学んでゆく過程で、各々の責任と役割を認識するようになり、それが社会全体の意識の向上へと展開されることを目指しています。
これらを実現するための事業の一つとして市民工房が設けられています。市民工房は「衣類のリフォームをはじめ牛乳パックからの紙すきや家電製品・自転車の再生、ガラス工芸、家具の再生」の6室からなっています。
各工房では、毎日指導員が、ごみ等から回収された物を修理再生する作業に従事すると共に、見学者への説明や再生のためのアドバイス・実技体験の手伝いなども行っています。文字通り市民のための工房として、いつでも気楽に誰でも利用できるように工夫しながら、オープン・スペースとして活発に運営されています。
また、各工房では、リサイクル製品の再生・展示・販売の他に、生徒を募集しての衣類のリフォーム教室や家電製品の修理教室、自転車の整備教室、ガラス工芸教室、陶芸教室、木工教室等の実践教室を各回テーマを決めて定期的に実施しているほか、夏休みには、各種の子供教室も行い、工房が子供達で賑わっています。
地域で行っている公民館や各市民センターなどのリサイクル教室にも、指導員が派遣され、地域の住民と密接に交わっています。
2. 工房の担う役割について
市民工房はリサイクル品の再生・展示・販売や修理のアドバイスを行い、まさにリサイクル活動の実践・体験の場を提供しています。廃棄物である「モノ」に命を吹き返らせる仕事は、リサイクル技術を市民を通じて社会全体に伝達することであり、リサイクルの発信基地の役割を持つと考えます。市民と直接顔を合わせ、手を取り合って、一緒に作業したり語り合ったりする場であることは、何よりもリサイクル型社会への啓発のためには最もふさわしいと思われます。
この場を活かすために、我々指導員はリサイクル技術を更に磨いていくことは勿論