竹中工務店の地球環境問題への取組み
〜廃棄物の減量とリサイクル推進〜
(株)竹中工務店
石川健治
1. 環境保全への取組みの経緯
建設業界の地球環境問題への取組みは、建設産業という幅広い枠組みの中で環境保全への取組みを活発化させるべく、建設10団体による「建設産業環境行動ビジョン」を96年11月に発表、さらに日建連・主工協・建築協の建設3団体による「建設業界の環境保全自主行動計画」を策定・発表しています。
建設業は、まさに地球環境との係わりで建築物を構築し、その運用・機能維持には資源・エネルギーを消費するわけで、多くの地球環境問題に係わっています。
特に、地球温暖化問題との係わり(エネルギー消費による温暖化ガスCO2発生への寄与率が我が国全体の約34%)が大きい事と、産業廃棄物の増大に関しても建設産業は大きな比率を占めると同時に多くの問題を抱えており、廃棄物の削減と建設副産物のリサイクル推進が課題となっています。(1993年厚生省データで業種別排出量が21%)
竹中工務店は1960年代〜1970年代に顕在化した公害問題への対応・二度にわたるオイルショックへの対応を通じて、大気汚染処理、港湾・河川・湖沼の水質浄化・底質浄化、さらにはビルや住宅での省資源・省エネルギーなどの技術を開発・実施してきました。
そして、80年代後半にクローズアップしてきた「地球環境問題」に対し、我々はまず、自身の企業活動において環境問題に対応する事から始めて、その活動を世界に広げていくことが重要と考え、1991年には「地球環境整備推進室」を設置し、1992年には「竹中工務店地球環境憲章」を定め、建築物の企画・設計・施工・運用・更新・解体など全ての企業活動に反映させ、1993年度からは、年ごとに「行動計画」を策定し、その実施結果を環境保全活動報告書「竹中eレポート」としてまとめて外部にも発表しています。
2. 地球環境問題への対応フレームと対応課題の層別
当社においては、企画・設計から施工・アフターケアまで一貫体制を特徴とする企業として取組むべき地球環境問題に関して、その環境負荷への寄与度合いから対応フレームを検討・整理し、下図に示す3つの対応フレームにまとめて具体的な対応をしています。
特に、わが国の建設業の重要な課題として、地球温暖化への対応、建設廃棄物増大への対応などがあり、各フレーム毎に目標を設定して全社的な対応を行っています。
また、環境保全活動の管理サイクルを回していく上で、地球環境問題に対して当社としてどの様な対応課題があるのかを層別しており、環境保全活動は、これらの課題を中心に毎年「行動計画」を策定し、全社的に共通の目標に向かって活動しています。