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船主/操船者や設備責任者各々の船舶および油取扱い施設における緊急時計画(Vessel/Facility Contingency Plan)作成にあたっての法令の発布を大統領権限で行うよう指示

船主/操船者、設備責任者がそれぞれの「船舶および油取扱い施設における緊急時計画(Vessey Facility Contingency Plan)」を作成するにあたって、その緊急時計画が最悪の事態(悪天候の中でのオイルタンカーの積載油の全流出)に対応していること、さらに国家緊急時計画および当該地域緊急時計画、地区緊急時計画と相反しないこと、そして作成した計画を連邦政府が検討・承認することが要求される。OPA90では、エクソン・バルディーズ号事故のように、提出された「船舶および油取扱い施設における緊急時計画」を遂行しなっかた場合の民事上の罰金額がかなりひきあげられている。

 

沿岸警備地域対策グループ(Coast Guard District Response Group)

全米10ヶ所の米国沿岸警備隊地域に基地を置き、FOSCに技術的援助を施す。また、沿岸警備隊の機器類の管理維持を担当。船主/操船主、施設責任者より提出されたVessel/Facility Contingency Planをもとに全ての船体と設備の検査、緊急計画通りに対応できるかをテストするための訓練を指導する権限をもつ。

 

連邦政府の事故に対する対策準備の拡大

OPA90では、連邦、州、現地政府の人事からなる地区委員会を各指定地域に設立し、地区委員会がFOSCの指示のもと、地区緊急時計画を提出するという項目がCWAに加えられた。

 

緊急時計画作成の階級組織

連邦政府は国家、地域、地区各レベルそれぞれにおいて緊急時計画を作成する。多くの州でも油流出時に対応するための緊急時計画を有している。また、船、沿岸・沖合いの設備にも以上に説明したような「船舶および油取扱い施設における緊急時計画」の提出と遵守が要求される。様々なレベルにおける緊急時計画の共通点は、1)最悪の油流出事故に対応できること、2)使用可能な手段と人事の確保、3)調整の確保と油除去に携わる全ての団体/個人における明白な責任指名分担、4)その緊急時計画と他の緊急時計画との関連づけ、である。3)、4)について、実際事故が発生した場合、それぞれのレベルが一体となって計画を円滑に遂行するためには、定期的な訓練とレベルを越えた合同演習が必要不可欠である。

 

地区緊急時計画(ACP)

油流出時に起こりうる全ての責任の所在と、緊急時計画がどのように他の地区緊急時計画や「船舶および油取扱い施設における緊急時計画」、国家緊急時計画と協調するかが地区緊急時計画に記載されてなければならない。使用可能な対策手段を明確にし、加えて、油処理剤の散布をするかどうかの決断を速やかに行うための手順も記載しなければならない。

地区緊急時計画には、野生生物と油汚染による被害がでやすい環境に関する付属書を含めなければならない。この案には、事故が発生する前に、保護しなければならないもののプライオリティと、事故発生後には事故の状況に応じて速やかかつ柔軟にプライオリティを調節する手段が述べられていること。また、野生生物と環境を考慮した油回収作業をすること、特に科学的油処理方法のような環境に与える影響が大きい作業についての詳しい記述や、野生生物とその生態の保護と回復のための施設設備、機器類や人材の確保、獲得の方法の記述も必要である。

 

地域緊急時計画(RCP)

地域緊急時計画は、それぞれの政府レベルに任務を分担し、対策手段を明確にしている。地域対策チームは地域緊急時計画が充分機能しているかどうかを連邦、州、地方公務員の共同模擬演習の様子から判断し、FOSCの報告書を検討することでこれらの計画を継続的に改良していく。

 

国家緊急時計画(NCP)

連邦水質管理法に基づいて元来作成された国家緊急時計画はOPA90の履行によりかなり改訂されることとなった。油流出事故対応の任務を負った様々な連邦省庁間の調整をより効率的に行い、油流出が大事故になった場合の連邦政府の対応手段と専門知識の確立方法を記すため、国家対策チームは国家緊急時計画を作成した。国家対策チームは過去に起きた流出事故の評価に基づき国家緊急時計画を継続的に改良している。

 

スーパーファンド法

スーパーファンド法(及び連邦水質管理法)に基づいて、油流出の責任を負う団体は自然資源の

 

 

 

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