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海岸線調査をしたらいいかという計画作りを幾つかのNGOでやりました。その時に確か海難防止協会さんが作られた東京湾にどういった生き物がいるか、どういった施設があるかといったようなことに関する資料がありました。こういうものがあることを僕たちは知らなかったのですが、そういった資料が既に平成7年でしたかにまとめられていまして、非常に素晴しいと思いました。ナホトカ号の事故の時もこういう資料があってあらかじめどこを中心的に調べればいいかとか、どこにオイルフェンスを張るべきかとか、そういった相談ができればよかったなと思いました。それをもとに、東京湾の横須賀から千葉の富津岬までの鳥類海岸線調査の計画を立てて、同時にもしオイルフェンスを張るような必要があるならば、どことどこに張るべきかというようなことを検討したわけです。

その地図の中には、どんな生き物がいるかというリスト、港などの経済的に重要な施設、海岸の種類といったような情報は盛り込まれていたと思います。とても有益だと思いました。ただ僕たちがその時に集まって情報が足りないと感じて、みんなで情報を補足したことがあるんですが、まずどんな鳥がいるかというリストはあるんですが、季節の情報と大体の数とか分布に関しては情報が欠けていました。本来ですと、こういう情報はNGOがきちんと整理していなくてはいけないなとも思いましたが、とにかくそういうデータがなかったこと、それからこういうものはどんどん更新する必要があると感じました。

それからこれは生き物の情報ではないんですが、その地図の中に個々の海岸に立ち入ることができるかどうかという情報があることが調査の計画を立てる上で非常に重要だと気がつきました。東京湾には御存知のようにたくさんの港湾施設や企業が持っている岸壁などがあって、岸はあるがどうやってそこに近づいていいかわからない、ということがあります。実際に調査をやった時には、東京港の周辺などは漁船をチャーターして、海の方から近づかないといけない場所が何ヶ所かありました。普段準備しておく情報として、情報がある程度定期的に具体的に更新されていること、そして具体的に調査をするのに必要な情報といったものをきちんと調べておく必要があると感じました。

 

ジョン・フリーズ:

それでは、ここでポール・ケリーさんに、最少限度としてどのような情報がカリフォルニアのESIマップに盛り込まれているかについて話していただけたら有用かと思います。ポール・ケリーさん、これは発表の中で詳しく説明していただいた内容ですが、ここではその最も重要なポイントをまとめていただけますか。

 

ポール・ケリー:

先程お見せしましたESIマップの例には、たくさんの種類の情報が盛り込まれていました。そこには自然資源、文化的な資源、経済的な資源、それから流出の清掃活動に大きな影響を及ぼす地形学上の情報が含まれています。私達のカリフォルニア州魚類鳥獣保護局油流出防止対策室(California Department of Fish and Game, Office of Oil Spill Prevention and Response,以下OSPR)は、地図に含まれている情報の一部に関しては、その収集のための資金を出しましたが、その他の情報はNGOや他の行政機関が既に持っているものを集めて、中央でそれら全部を1つの地図にまとめる作業をしました。この地図というのがとても有用です。特に事故対応のための設備をどこに準備しておくか

 

 

 

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