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れ位は必要ということで大きな数字が出ましたけれども、それには全く及ばない数字ですが、要求はしております。その中で、日本の財政当局の方から色々な話が出てきます。事故の話もこんなにいるのか、そんなセンターは無くても先程紹介されたような移動式の動物病院の設備をもった車、あれだけで十分じゃないかというような議論などが色々ある中で、今一生懸命頑張っているところです。今月末位には決着が着くと思いますが、何とか形のあるものができるように努力しているところです。

完成した後の運営面や色々な問題も出てきましょうが、そこはこれまで実際にそこで誰が何をするのかということも含めて、ナホトカ号事故を通して積み上げてきた経験の中で色々な団体の方々にご協力をいただきながら運営していければと思っております。

 

植松:

どうやら何とか形が見えそうです。ゼロからの出発でしたから次は1からスタートできるということで、非常に嬉しいことだと思います。さて、ピート・ボンタデリさんは政治学者です。油を追いかけたり洗ったりする人間は交渉ごとがあまり得意ではないのですが、ぜひこのフロアーの皆さんの中でピート・ボンタデリさんのように交渉の得意な方がいらっしゃれば、参加していただいて、NGOとして我々野生生物救護に関わっている人間を応援していただけると有難いと思います。一応救護の話はここまでで、後はジョン・フリーズさんにバトンタッチしてNRDAの話について活発に議論していただきたいと思います。ジョン・フリーズさんお願いします。

 

ジョン・フリーズ:

今回の流出事故で初めて大規模な鳥類海岸線調査を伴ったNRDAが行われました。今回の事故までは、油で被害を受けた野生生物を救護しようとする努力が中心でした。ですから皆様の中には、このNRDAについてあまり聞いたことがないという方もいらっしゃるかと思います。今からそのNRDAの分かりにくい所を、少し分かりやすくしていきたいと思います。そして、できればNRDAについて今日提供していただいた膨大な情報をまとめてみたいと思っています。

まずは、ダイアモンドグレース号の流出事故の際に、鳥類海岸線調査の体制作りに大きな役割を果たされた古南さんに、その時に利用できた脆弱環境沿岸海域図(Environmental Sensitivity Index Map,以下ESIマップ)についてお聞きしたいと思います。事故が起きた時、幾つかのNGOの代表が集まって東京湾のESIマップを見ながら、どのような鳥類海岸線調査を行えばいいのか話し合いました。ですから古南さんにお聞きしたいのは、その地図にどのような情報が盛り込まれていたのか、不足していた情報がもしあるならそれはどのようなものだったのか、そして最後にその地図がどの程度役立ったのか、といったところをお聞きしたいと思います。

 

古南:

今ジョン・フリーズさんがお話しになったのは今年7月に東京湾で発生しましたダイアモンド・グレース号というタンカーによる油流出事故の時の話だと思います。今年はナホトカ号の事故の後も、ナホトカ号ほど大きくないにしても中規模の事故が4月と7月に起きまして、とても僕たちにとってはいい練習問題になったのですが、その7月の時に集まって、これはナホトカ号の時にはできなかっとことですが、まずどういう鳥類

 

 

 

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