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1990,Carterほか1995,Vermeerほか1993,Ainleyほか1994)

 

最近の研究と管理活動の多くは、米国西海岸に生息するほとんど知られていない海鳥種の状態と保護上の問題に関するものです。絶滅の恐れのあるマダラウミスズメは、非常に注目されている鳥種です。何故ならマダラウミスズメは、米国西海岸一帯(カリフォルニア南部以外)、ブリティッシュコロンビア州、アラスカ川南郡などで伐採されつつある老齢の針葉樹林で営巣するからです(Carter & Morrison 1992,Nelson & Sealy 1995,Ralphほか1995,United States Fish and Wildlife Service 1997)。しかし油汚染による影響、特にエーペックス・ヒューストン、天洋丸、エクソン・バルディーズ号油流出事故による影響も懸念されています(Carter & Kuletz 1995, Fordほか1996, United States Fish and Wildlife Service 1997)。またカリフォルニアとメキシコのバハカリフォルニア北西部に営巣する世界的にも希少なセグロウミスズメ(Synthliboramphus hypoleucus)とススイロウミツバメ(Oceanodroma homochroa)に関する新しいデータも得られています。これらの鳥種の繁殖領域の大部分はカリフォルニアの石油掘削用の海上プラットフォームと石油タンカーの航行ルートに近接しています(図1、4参照)。これらの鳥種に関しては、絶滅危惧種保護法の適用が認められるかどうかの審査が、近い将来予定されています。

 

1970年代と80年代の米国西海岸の沿岸生態系保護活動の活発化

 

沿岸生態系保護活動の活発化と新しい環境保護法によって、1971年以後の米国西海岸の海鳥個体群は以前よりも保護されるようになりました。1972年の連邦水質管理法(Clean WaterAct)と同様の州法によって、海洋の油汚染は罰金を伴う違法行為になりました。1972年の絶滅危惧種保護法の下、カッショクペリカン、コアジサシ(Sterna antillarum)、マダラウミスズメは「絶滅の恐れのある種」または「絶滅危惧種」と指定され、このことによってこれらの鳥種の営巣地、採餌場、生息地の保護は促進されました。

 

カリフォルニアでは、カリフォルニア州魚類鳥獣保護局と国立公園局(National Park Service)が、国立野生生物保護区の外の多くの海鳥個体群を、カリフォルニア諸島鳥獣保護区(California Islands Wildlife Sanctuary)(カリフォルニア州魚類鳥獣保護局に管理されている米国土地管理局の土地)や国立公園でカバーすることで保護してきました(図3参照)。

 

1981年から1995年の間にNOAAは、カリフォルニア州とワシントン州に5つの国立海洋生物保護区を設立し、その沖合いでは石油開発ができないようにしました。そして、主に一般市民や州政府からの強い抗議によって、沖合いの石油開発は南カリフォルニアより北の地域では許可されなくなりました。しかし、現在有効な沖合いでの石油開発の一時停止期間は2002年までです。

 

 

 

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