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1991年以来、ワシントン川では小規模な油流出事故が発生し続けてきましたが、救護される海鳥の数は1回の事故当り10羽未満でしたし、賠償金も標準賠償金算出表に従って決定されています(J.Skirletz私信)。

 

ネストゥッカ号油流出事故や天洋九油流出事故、そして1989年にアラスカで発生したエクソン・バルディーズ(Exxon Valdez)号油流出事故の際には、全ての死体の内どれだけが海岸に残ったか(死体残存率)といったことや、海で水没したり無くなった死体の数はどれだけか(海上死体損失率)が研究されました(Fordほか1991,1996;Burger & Fry 1993)。

 

1970年代および80年代の米国西海岸における海鳥個体群の記録、研究、管理活動の活発化

 

海鳥の個体群の状況を評価したり保護上の問題を検証するといった努力は、米国西海岸では1969年以後に活発化しました。西海岸全域での沖合いの石油開発の可能性によって、アラスカの場合と同様に鉱物管理局、米国魚類野生生物局やその他の機関からの財政的支援が促進されました。こうして得られた資金は以下のようなことに用いられています。

1)海鳥の繁殖地の場所と個体数を特定するための米国西海岸全域における調査(Huntほか1979,Sowlsほか1980,Speich & Wahl 989,Carterほか1992)。

2)定住性の海鳥と渡り鳥の個体数密度、個体群規模、採餌場を特定するための米国西海岸全域における海上調査(Wahlほか1981,Briggsほか1987,1992)。

3)海鳥の繁殖や採餌の生態研究(例Huntほか1979,Ainley & Boeklheide 1990)。

 

1970年代後半から80年代前半にかけては、米国魚類野生生物局と他の機関によってウミガラスとウ類を対象とした毎年の海鳥モニタリングプログラムが開発されました。これは、特に国立野生生物保護区の中で実施されています。各地区の海鳥個体群と絶滅の恐れのある種または絶滅危惧種のモニタリングと研究が、大学、政府、民間のグループによって西海岸全域で幾つか行われました。アメリカ連邦政府からの財政的支援が得られることもよくありました(Carterほか1995)。

 

油による汚染の関係者から寄せられた多くの財政的支援は、他の海鳥保護の問題に取り組む際に役立ってきました。しかし、米国西海岸での海鳥への油汚染の影響を記した資料はほとんどありません(McKnight & Knoder 1979,Piattほか1991,Burger & Fry 1993)。

 

パシフィック・シーバード・グループ(PSG)は1972年に結成され、以来米国西海岸と北太平洋での海鳥に関する研究、管理、保護活動をコーディネートし、また促進してきました。この地域における海鳥保護には主に次のような問題点があります。

1)油汚染と網漁による海鳥の致死被害

2)DDTのような汚染物質、人間が残した誘因により侵入、増殖した海鳥の捕食者、餌の不足、人間活動によるかく乱といったことを原因とする繁殖成功率の低下

3)海岸の商業開発、原生林の伐採、軍事演習、人間による妨害といったことを原因とする営巣地の損失(Bartonek & Nettleship 1979,Andersonほか1980,Nettleshipほか1984,Sealy

 

 

 

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