講演
20世紀における米国西海岸での油汚染と海鳥被害
米国地質調査局生物資源部
ハリー・R・カーター
Harry R.Carter(ハリー・R・カーター)1,2 R.Glenn Ford3
Roger C.Helm4
Paul R.Kelly & Pierre Ho duvalr5
1U.S.Geological Survey, Biological Resources Division, 6924 Tremont Road, Dixon,CA 95620. 2 Department of Wildlife, Humboldt State University, Arcata, CA 95521. 3 R. G. Ford Consulting, Ine.,2735N.E.Wiedler Street, Portland, OR 97232. 4 United States Fish and Wildlife Service,911 N.E.11th Avenue,Portland,OR97232.8141. 5 California Department of Fish and Game, Office of Oil Spill Prevention and Response, 1700K Street, Suite 250, Sacramento, CA 95814.
要 旨
20世紀のカリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州では、油汚染が海鳥の個体群に影響を与え続けています。こうした影響を記録に残し評価する活動は年々活発になり、発展してきました。1969年以降幾つかの環境保護法が成立し、海鳥の個体群保護の意識が高まりました。繁殖地のほとんど全てが野生生物保護区または保護公園の中で保護されるにようなりました。海鳥個体群に与える油汚染の影響を軽減しようとする活動によって、米国西海岸の海鳥の包括的な研究と管理体制は大きく発展してきました。これには連邦および州政府、大学、民間のグループなどが関わっています。
油流出事故の際に収集される基礎的な情報には以下のようなものがあります。
1)海岸で発見された死体の数
2)海岸で発見され、リハビリテーションに回された生体の数
3)海鳥4団体群の海上での分布と個体数
などです。この3つ以外にも、死亡個体の総数を推定し、個体数に対するその他の影響を評価するために以下のような情報が収集されます。
1)実地観測または漂流予測モデルから得られる海上での油の漂流状況
2)死体の腐食、水没、埋没、人間による除去などといった死体の損失状況を表わす、海岸での死体残存率と海上での死体損失率
3)海鳥個体群の規模、繁殖成功率、鳥が海岸に漂着するパターンの平常時の状態との比較
4)海鳥個体群の全体的な状況と海鳥保護に関するその他の問題点の評価
などです。
現在では海鳥の死亡状況に関する詳細な報告書を作成することが、幾つもの連邦や州の法律によって義務付けられています。これは海鳥個体群に与えられた影響の度合を評価したり、