MESSAGE
シンポジウム開催によせて
海上災害防止センター
何時だったか、何気なく聞いたラジオ番組でこんな話がありました。
1.世界一周が短時間でできる。
2.月に行く。
3.動物や植物と会話ができる。 等等
これは、100年程前、当時の人々が100年後の実現を予測した事柄で何かの書物に載っているということでした。そして、これら夢の多くは現実のものとなったのに、身近かにある動物や植物との会話はまだできていないことも話題になっていました。
もし、動物や植物と人が会話できたら、どんなに愉快なことでしょう。
本年起こった日本海での重油事故、東京湾での原油事故ではきっと彼らと様々な協力があったことと思います。
海鳥に海上の油と戯れないように教えたり、油のある方向に回収船を誘導してもらったり、イルカにレスキューを頼んだり、その分野が今度こそ100年もせずにきっと現実になるぞ、と流出油の現場でこっそりと夢見たりしています。これはきっと、現代のシートンさんファーブルさんの活躍次第ですよね。皆で一生懸命バックアップしたいと思います。(KN記)
シンポジウム開催によせて
(社)日本海難防止協会
会長 寺井 久美
日本海難防止協会は、海難防止および海洋汚染防止を目的に活動している団体です。
一度海難が発生しますと貴重な人命、船舶や積荷の財産が失われるという被害を受けるばかりでなく、場合によっては、二次的な被害として海洋汚染を引き起こし、魚介類、鳥類ほか海の生態系への悪影響、美しい海浜を損なう等の環境破壊が人間生活に大きな影響を及ぼします。
特に、最近、ナホトカ号やダイヤモンド・グレース号の事故に象徴されるようなタンカーの海難に伴う油流出が多くの問題を提起しており、憂慮しています。
発病と治療の関係と同じように、油流出後の対応(治療)よりも、タンカーの海難事故(発病)を防止することに一層の努力が肝要だと思います。
今回のシンポジウムを通じてそのような議論がなされ、コンセンサスが得られるならばと願っています。