夕ノールを改質する際に副産物として二酸化炭素を生じるけれども、幸いにも効率が高いので大まかに言って、内燃機関を用いるより三分の一ほど少ない。その他の排気はない。さらに、メタノールの安全必要条件はガソリンと同等である。従って、インフラや燃料供給ネットワークにおいて大幅な変更はない。
利点2:高効率
燃料電池のエネルギー生成と異なり、ディーゼルやガソリンエンジンの燃焼では高い熱損失を伴う。 しかし高容量バッテリーも自動車が止まっているときでもエネルギーロスが発生する。反面、燃料電池は実際にエネルギーが必要なときだけ運転される。そのような場合、燃料電池は燃料を、いわゆる専門家の間で言われる“低温”燃焼による電気化学反応により電気に変換する。燃料電池は、適度な低温(約80℃)で作動するが、その熱は、車内の暖房にも使われる。燃料電池で作られた電流は、非常に効率の高いモーターを駆動させる。その結果バッテリー電気自動車や内燃機関に比べエネルギーの利用効率が高くなる。
しかしながら、これらの利点は、燃料それ自体が環境的に受け入れられる方法で資源を有効に使い作られることが前提である。たとえば、いわゆる予備電力(発電所が、実際には使われないが、余裕電力として持っていなければならない電力)による水素の生産などが含まれる。
利点3:より長い航続距離
現状での電気自動車の航続距離はバッテリー、もっと正確に言うといかに電流を供給できるかにかかっている。燃料電池自動車の場合、距離を決めるのはタンクである。言い換えると、大きいタンクは長い距離を意味する。燃料電池のサイズは、車輪にいかに大きな動力を伝えられるかを決めることになる。
バッテリーと水素タンクが同容量であるとすると、水素のほうが大きなエネルギーを持つので、NECAR?Uは、バッテリー電気自動車の何倍も走行することができる。そして、将来燃料タンクにメタノールを入れたとすると、燃料電池自動車は内燃機関自動車と同等の距目性をカバーできるようになろう。タンクは、ディーゼルやガソリン自動車で使われるものより、スペース的、重量的に不利にならない。
心臓部分であるNECAR?Uにおける燃料電池は、単なる進歩ではない。回転ファンホイールがフロントエプロンの後ろに配置され、磁気モーターが駆動される。回転ファンホイールはダイムラーベンツの研究者がTEMIC(マイクロエレクトロニクス出資会社)とともに、大量生産用に開発したものである。
磁気モーターはどのように働くのであろうか。原理的には、モーターのまわりに発生した電磁気の作用による。これらの電磁気は鉄でできているモーターに作用する。電流が電磁気に作用したときに、モーターが回転するための均一なトルクが発生する。
その簡単な構造及び永久磁石を必要としないので、そのようなモーターは高温の環境下での換気や、冷却水ポンプに向いている。そしてダイムラーベンツの研究者はNECAR?U