日本財団 図書館


基本的にPEM燃料電池は、動く部分を持っていない。水素と酸素が入り、電気が出てくる。それに対し、4サイクル内燃機関を少し説明しましょう。

何十年も開発されてきて、調和した熱機関とは似ず、燃料電池は熱化学装置ではない。電子化学の性質は燃焼を通して得る動力を進かに越える効率を持っている。イオン交換の静かな過程に置いて、水素のエネルギーの50%以上が電気に変換される。燃焼室内で分子が飛び跳ねるように燃焼するガソリン機関では25%程度である。

最近の関心事は運転時のいやな副生成物である。熱機関ではHC、CO、NOx、C02、HCHO、S02などの環境的に関心の高い汚染物質がある。PEM燃料電池ではH20、水だけである。

 

現実

 

実際の利用法を考慮すると、PEM燃料電池は魅力的であるが若干の複雑な部分がある。ここ地球上では(宇宙技術への応用の逆)、燃料電池の必要な酸素は、たくさんの窒素を含んでいる。事実、空気の78%は窒素であるが、燃料電池はいっこうに気にしない。典型的な燃料電池の運転温度は、華氏180度程度である。NOx生成の温度より遥かに低い。窒素は親切にも通り過ぎるだけである。

一方、しかし水素燃料の場合はそう簡単にいかない。詳細は、1993年8月の“最新技術:H24U?”を参照して下さい。簡単に言うと、製造、分配、特に車載上で水素の貯蔵は非常に複雑な問題です。

近未来の燃料電池はメタノールの水蒸気改質で車載上で水素を作ることを考えています。それぞれの車両は、このアルコール燃料そして小さな化学プラントを積み、走ることになります。天然ガスから作られたメタノールはスタンド(いくつかの地域ではM85:ガソリン15、メタノール85がすでに利用可能)で入れることができる。

メタノールのような液体燃料の利点は、簡単な流通と貯蔵である。欠点は、複雑さ、扱いにくさ、車載での改質の際の若干のエミッションである。特に、メタノール燃料電池電気自動車は、もはやゼロエミッション車(ZEV)ではない。(バッテリー電気自動車も真の意味でZEVではない。正しくはREV(Remote Emission Vehicle);遠くの発電所のエミッション車と言うべきであろう。

温度、圧力、湿度を調整することが燃料電池運転に当たっての重要な要素である。たとえば、PEM膜は電子反応を維持するためには100%近い湿度が必要である。必要とされる水は、電池自身の運転で発生する水で実質は十分である。水分のいくらかは、電池の温度制御のための補助冷却器を通過する。

理論的には、PEM燃料電池は大気圧で機能する。しかし、利用可能な出力を得るために供給する水素と酸素の圧力を30psi程度に加圧することが必要である。車載上での改質の際の副産物である熱は、圧力を上げるための過給器を働かすのに使われる。他の方法として電気的に駆動するコンプレッサーを使う方法もある。その他、圧力を車載上で保存することも考える必要はある。

純度の高い酸素を使ったり、より高い圧力で電池を運転することも可能である。しかし、その複雑さにより、重量増加のため増大させた出力の利点を失ってしまう。PEM燃料電

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION