池の概念は魅力的であるが、機能的工学的システムでは全てシンプルに行くとは限らない。
継続走行
効率的な電気自動車の走行では、システム電圧は200Vまたはそれ以上である。そのため積み重ね(つなげること)が必要である。ある意味では、燃料電池は最もモジュール化(基準化)された動力である。しかし、何百も並べられた電池の配列を正確に同じ状態に維持するのは本当の意味での挑戦である。
反対に、始動、過渡、出力制御のような件は、問題ではないことがわかっている。PEM燃料電池は、改質の遅れにより前回の運転で貯蔵された水素を若干必要とするけれど、始動後数秒で出力が供給される。過渡応答は、従来の内燃機関より早い。90%出力までのPEMの応答時間は、ミリ秒のレベルである。出力制御は実際のところ電気自動車駆動システムよりさらにある。バッテリーのように、燃料電池はシステムの電子需要は続き、直流電流となり応答する。それは、モーターに送られる電力を制御する電気自動車のインバーター制御である。
バッテリーと燃料電池のこの比較はより詳細に試験する価値がある。バッテリーは、エネルギーをその反応化合物として貯蔵し、需要に応じ電気を生成する。同様にこの反応の廃棄生成物も保持する。反対に、燃料電池は電気を生成するが、反応物や廃副産物は電池の中には保持されない。水素や酸素は分離して貯蔵され、若干の水は、湿度調整、冷却に使われ、残りは廃棄される。
これに関して、全て燃料電池の利点であるいくつかの関連する事項がある。重量あるいは体積当たりのバッテリーのエネルギー密度は、燃料電池のそれよりも非常に小さい。また、バッテリーへの再充電は、燃料電池のタンクへの燃料補給(メタノールあるいは水素)より複雑なプロセスを伴う。さらにバッテリーは電気化学変化の劣化がそう多くない充電回数で発生する。燃料電池にはそのような制限はない。定置式動力用に設計された。
PEM燃料電池は4万時間に近づこうとしている。これは自動車用よりも長い時間である。事実、使い古された自動車の燃料電池が、新しい自動車用に継続して使われるのも不合理ではない。
現実の使用状況
燃料電池はすでに遠隔地における定置式電力供給源としてあるいは設計の柔軟性のため非常用バックアップとして実際に使われている。たとえば、10フィート四方の箱である独立型250kWユニットは産業用建物、小さな病院または約60件の分譲地用に電力供給ができる。
定置式動力は、燃料電池開発において「鞭」であり、輸送用は「飴」である。事実これらの二つの応用は、その必要条件において衝突するものではない。発電装置は非常に長寿命、高効率でなければならない。しかし、定置式は大きさ、重量の制限がほとんどない。また燃料の可搬性も関係ない。自動車用は本質的にはこの逆である。熱効率的には内燃機関を目標にするのは非常に容易である。
燃料電池の研究に一生懸命になっている自動車メーカーからの情報同様、バラード、