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展望

 

もしFCVが我々の期待通りに発展を続けるならば、内燃機関自動車よりクリーンで効率的であり電気自動車よりも機能がよく低価格である。もし燃料電池が比較的安く、高い比出力と効率性が得られれば、この十年以内には燃料電池技術は着実に進歩するにちがいない。FCVのピークパワーデバイスや水素貯蔵システムもさらに発展するにちがいない。

しかし、差し迫った研究や開発の仕事は大掛かりで、各仕事には多くの技術や設計ルートがある。最低3つの異なった種類の燃料電池(PEM,アルカリ、固体酸化物)と4つのピークパワーを供給する方法(数種類のバッテリー、ウルトラキャパシタ、フライホイール、燃料電池)と沢山の水素貯蔵の方法がある。従ってすべてのFCV構成要素は最後にはうまくいくと見ている。

しかし営利的に成功するかどうか保証ばできない。完全な成功は数年先であることを強調しておきたい。最後に市場性が成功のカギになるであろう。

消費者がFCVをどの様に使い、またどう反応するか理解するために沢山の研究車を作りテストするべきである。この様なプロジェクトの目的は、技術的な完成を意図するのではなく、使用者の反響を基礎的な技術や発展に供すべきである。FCVの技術はすでに進んでおり、この実験も使用者の反響をフィードバックするやり方もすぐに始められる。十年以内には、この考え方により、燃料電池の技術や経済的可能性の青写真を輸送分野において示すことになろう。

受け入れ可能な価格になり、FCVが成功すれば、輸入石油への依存の減少、世界的温暖化の緩和や都市の大気質の向上などの重要な戦略要素になるであろう。

 

 

 

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