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安全性と経済問題

 

市場で成功するには安全性、経済的にもまた技術的にも保証されなければならない。特に水素はガソリンに比べて危険性が低いと政府や民間が納得するまでは交通燃料として認めるべきではない。

米国国家規格局、スタンフォードリーサーチインターナショナル、ドイツの“道路輸送代替燃料”プログラムは現在の石油燃料が提起するのとは違う水素の危険性などを自主的に結論づけている。限られた経験のなかでの水素貯蔵システムについての分析では比較的安全で民間も近いうちに受け入れるだろうという結論を出している。100年以上も前に同様にガソリンに反対する声がでていた。

多くの経験の積み重ねの後でガゾリンの高い安全性の証明により懸念が晴らされたのである。

 

パワージェネレータシステム

 

燃料電池ストックを有効に作動させるためには適温(だいたい摂氏70度)に保たなければいけない。電気化学プロセスを促進するために100%の湿気を内部に保たなければいけない。水素と酸素(空気中)は特定の圧力で決められた量を入れなければならない。

上記のことは燃料電池スタックのサポートシステムによって実行される。

燃料電池スタックと内部システムは合わせてパワージュネレターシステムと呼ばれる。

FCVが環境的な理由(ありえないと思うが)で特権を与えられない限りバッテリー、石油、石油以外の燃料を使用する車と市場で競争しなければならなくなる。もちろん燃料電池と電気動力技術はまだ発展途中なのでFCVの経済性について決定的な言い方はできない。

しかし経済比較分析をしたり価格検討をするのは可能で有益なことである。

最近の代替燃料車のライフサイクルの調査中の分析は下記の五つの注目に値する結果を発表している。

・ 水素FCVは内燃機関自動車の水素燃焼に比べて1マイルあたりのライフサイクルコストは低いであろう。なぜなら、主に電気動力はより効率的で費用が安いからである。

・ 水素FCVは短距離は例外として、電気自動車より低いライフサイクルコストであろう。燃料電池よりバッテリーが高いと決まれば決定的である。

・ ガソリンの価格が常識的な値段であった場合にはFCVはガソリンの価格が1ガロンにつき1ドル50セント(税込み)以下の場合はガソリンと同等である。

・ 主に水素貯蔵が高価格のためにメタノール燃料FCVは水素燃料FCVよリライフサイクルコストも低い。

・ ガソリン自動車のライフサイクルの競争力は燃料電池の大幅なコストダウンに全て依存するわけではないが、車の寿命、維持費などの経済的理由も重要である。

 

 

 

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