日本財団 図書館


れていないことが挙げられる。

天然ガスは米国を中心に利用されているが、これに関しては、ある程度仕様に関する取組みが行われており、エンジンを損ねないような成分が検討されている。ウォンベインデックスの変動幅は最高でも±4.3%とすることが望ましいとされている。マルメやイェーテボリ、ランドで消費されているデンマークから輸入した天然ガスは、この範囲内である。スウェーデンの天然ガスは、最初からウォンベインデックスの変動幅が約±1.1%と、非常に小さいことから、このことは問題として議論されていない。

ISOとCENが自動車用燃料としての天然ガスの基準作りに関する取組みを行っているが、現在、貯蔵タンクのISO基準以外に直接的な勧告は出されていない。

燃料としての天然ガスの基準に関する協議の的は、当初はウォンベインデックスのばらつきを減らすことではなかった。しかし、ガス会社がばらつきを最低限に抑えるよう努力しており、一般的に求められる条件とはならない可能性があるものの、成分が安定した天然ガスが求められるであろう。

ウォンベインデックスのばらつきを抑えることは可能だと思われる。ウォンベインデックスは、ガスを燃料とする自動車の市場導入にとつてかなりの重大性がある。

しかしながら、こうした自動車が欧州市場に出回っている一方、今後、ウォンベインデックスの幅が±40%のガスで走行できる自動車が開発される。

 

1. 自動車用燃料としてのバイオガスの質に求められる条件に関する、スウェーデンのエンジンメーカーとの協議。

 

ボルボ社とスカニア社と接触し、主にこれに基づいた報告を行った。特定のガスの成分が指定されれば、バイオガスを燃料とするエンジンの運転性や排気ガス量や効率に関して、ある程度の走行性能を達成することは可能である。最も求められているのは、二酸化炭素、水、窒素、水素、酸素、水素硫化物の含有量や、その他の汚染物質の発生量を抑えることである。さらに、ウォンベインデックスを44〜50MJ/NM3と、変動幅が最大でも±2%とすることも必要である。これはメタン含有量の差異をほぼ±1%にとどめればよい。

上記で求められていることは、規制に適合しないエンジンについてものである。規制に適合するエンジンは、これよりも大きな変動幅に対応できるが、値は示されていない。

ウォンベインデックスの最大変動値が比較的厳しく制限されていることは、規制に適合しないエンジンに供給される燃料の量が増加することによってエミッションの量が増え、エンジンの耐久性に影響が出るという事実があるからである。ただし、どの程度の変動幅であれば排気ガスの基準を越えないかという見解は確立されていない。

エンジンに供給される燃料の量が減ると、エンジンの耐久性や運転性にマイナスの影響が出るが、この場合主に排気ガスが問題である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION