日本財団 図書館


大部分のケースにおいて、唯一の「輸送」問題は、現存する天然ガス・パイプラインから事業所の貯蔵場所までの接続である。地域のガス会社は、通常5から50psigの範囲の圧力で地下の供給パイブラインを通じ天然ガスを提供する。これは非常に低い圧力である一方で、パイプラインの破裂や、事業所内の事故であれば貯蔵所に接続するパイプの詰まりにつながる、接続パイプラインの不法掘削工事があるとすれば、依然として大規模なガス漏出の危険性が存在している。供給パイプラインにおける漏出の場合には、パイプラインからの供給流出を食い止めるための迅速かつ積極的な手段が必要とされる。

 

ある場合には、天然ガスは、圧縮ガスを積載したタンクローリーの形で事業者に供給される。このタイプのガスの引き渡しは、自前の貯蔵所を利用できない小規模ユーザーのための恒久的施設に於いて、もしくは一時的施設において利用される。

 

この場合、問題はタンクローリーの衝突耐久性に関するものである:ガスシリンダーそれ自体は強いにもかかわらず、バルブおよび関連するバイブは脆いものかもしれない。同様に、もしタンクローリーが交通事故に巻き込まれた場合、タンクがガソリンあるいはディーゼル燃料に起因する火災に巻き込まれる可能がある。

 

経験から言えることは、トラックへの荷積みあるいは荷下ろしの場合、フレキシブルパイプの接続の設定やとりはずし、漏出の可能性、接続したときのトラックの揺れの可能性等のため、特段の警戒が必要であるということである。同じく圧縮天然ガス配送トレーラーの使用に関しては、配送の過程でフレキシブルパイプの接続が行われ、またとりはずしすることが必要であるけ経験から言えることは、トラックへの荷積みあるいは荷下ろしを通じ、接続やとりはずし、漏出の可能性、接続したときのトラックの揺れの可能性等のため、特段の警戒が必要であるということである。

 

(c)貯蔵所への輸送中の火災の危険性

 

圧縮天然ガスの場合、その過程は天然ガスの圧力を適正な圧力(約25MPaおよび3600psl)に設定し、貯蔵タンクシステムへ輸送することを含む。圧縮天然ガスの貯蔵に関しては急速充填(すなわち10分以内に約9,000SCFのガスを車両に移せること。あるいはゆっくりした充填(数時間あるいは一晩)等のさまざまなアプローチがある。いずれにせよ、貯蔵は20あるいは25MPa(遅い充填)から35MPa(速い充填)までの圧力を含む。

 

パイプラインで運ばれる天然ガスは、少量の窒素、二酸化炭素、硫化水素、およびヘリウムを含む これらの不純物ガスの量は、原料および季節的効果に影響されるため、ゼロから2.3パーセントまで変化し得る。 更に重要なことは、パイプライン・ガスは、112Mg/m3(1立方メートルにつき71bs)の量まで水蒸気を含むことができる。

天然ガス中の二酸化炭素および硫化水素成分は、水のある所では炭素鋼に対し腐食性がある。 腐食性の効果は、圧力によって増加する。 圧縮天然ガス車両への使用に検討された圧力は非常に高いので、容器が突然爆発し、破裂するという結果につながる、過度の腐食に関する現実の懸念がある。NFPA52圧縮天然ガス(CNG)車両燃料システム、1992年版では、圧力がかかるあらゆる圧縮天然ガスシステム部品の設計に関し、ガスの性質は次の仕様に従うことと規定されている:

 

o H2Sおよび水溶性の硫化物の部分的圧力…………………………最大0.35kpa

o 水蒸気……………………………最大112mg/立方メートル(7.0Ib/MMSCF)

o 二酸化炭素の部分的圧力……………………………………………最大48kPa

o 酸素………………………………………………………………最大0.5容積%

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION